http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131208/crm13120812010001-n1.htm
【衝撃事件の核心】
「父子の野望」支え半世紀
「選挙は日曜朝からよ」逮捕された徳洲会「ゴッドマザー」の人生
2013.12.8 12:00 産経新聞
徳田秀子容疑者(徳洲会HPから)
「ゴッドマザー」は、愛ゆえに違法選挙に手を染めた
のか。
日本最大級の医療法人グループ「徳洲会」による
公職選挙法違反事件で、グループ創設者で前理事長の
徳田虎雄・元衆院議員(75)の妻、秀子容疑者
(75)が逮捕された。
グループ拡大に突き進んだ虎雄氏を半世紀にわたっ
て陰で支えたが、虎雄氏の難病発症後には前面に立っ
てグループ全体を掌握。
当初は夫のため、その後は次男の徳田毅衆院議員
(42)のため、秀子容疑者は違法な選挙運動に手を
染めていた。
■幼なじみの虎雄氏と結婚
「この人はすごい人だ、この人についていくためには、
私はもっともっと自分を高めなければならない」
秀子容疑者が虎雄氏と結婚したのは昭和34年。
グループインタビューで、当時の心境をこう振り返
っている。
秀子容疑者は大阪市で生まれ、終戦後に両親の故郷、
鹿児島県・徳之島に引っ越した。
島内の小学校で1学年上級生だった虎雄氏とは、畑
仕事を一緒に手伝う幼なじみだった。
その後、
2人は交際を始めたが、虎雄氏は医学部受験のため
高校3年で大阪市内の高校に転校。
秀子容疑者は高校卒業後、いったんは地元銀行に
就職したが、その後、大阪大学医学部に合格した虎雄
氏と大阪で新婚生活を始めた。
秀子容疑者は事務仕事などをしながら私立大学に
進学して薬剤師の資格を取得。
虎雄氏は土木作業や家庭教師のアルバイトをしなが
ら学費を稼ぎ、勉強の日々を送った。
夫婦の半世紀に及ぶ二人三脚が始まった。
■9年間で7人の子宝、病院でもフル回転
当時、虎雄氏の父が亡くなり、虎雄氏は徳之島に残
っていた家族を大阪に呼び寄せて生活の面倒を見た
ため、経済状況は非常に苦しかったという。
第1子の越沢徳美被告(50)=公選法違反罪で
起訴=が誕生したのはその頃だった。
その後9年間で、次女のスターン美千代容疑者
(46)=同法違反で起訴、再逮捕=や毅氏ら2男5
女、計7人の子供に恵まれた。
昭和48年、虎雄氏は「生命だけは平等だ」という
理念を掲げ、徳洲会の前身となった徳田病院(大阪府)
を設立する。
虎雄氏は自分に掛けた生命保険を担保に借金をして
運転資金を捻出したが、秀子容疑者も子育てをしなが
ら資金を集めるため銀行回りを続け、開院後には経理
や受付や薬剤師をこなしたという。
虎雄氏は自身の著書で
「自分で走っているのか、家内に走らされているのか、
自分でも分からない」と評している。
■腰の低い「政治家の妻」
虎雄氏は病院を全国に設けるという構想に向けて走
り出したが、各地で地元医師会と対立し、
「医療をよくするためには政治しかない」
と、衆院選への出馬を決意した。
秀子容疑者は大阪に子供たちを残し、虎雄氏ととも
に選挙区の奄美大島に入り、虎雄氏の母と戸別訪問を
続け支持を呼びかけた。
虎雄氏は平成2年に初当選し、難病の筋萎縮性側索
硬化症(ALS)発症後の平成15年まで、計7回の
衆院選を戦った。
秀子容疑者をよく知る元職員は
「選挙運動でも粗暴な言い方が目立った虎雄氏の横で、
頭を下げ続ける秀子容疑者は地元でも評判がよかった」
と振り返る。
後援会の古参幹部が
「この奥さんがいるから、あんたは政治家になれるん
だよ」
と、虎雄氏にくぎを刺す場面もあったという。
■「選挙は日曜日から始まる」…当日朝まで激励
一方で、選挙活動にも深く関与した。
虎雄氏が自民党の保岡興治衆院議員と何度も繰り広
げた激しい選挙戦「保徳戦争」や、虎雄氏が代表を務
めた政党「自由連合」が候補者を擁立した国政選、
地元首長選などで、徳洲会は虎雄氏の指示で現金買収
を繰り返したとされ、末端運動員だったグループ職員
らの摘発が相次いだ。
虎雄氏の選挙で参謀を務めたある男性は、当時秀子
容疑者と交わしたやりとりを覚えている。
秀子容疑者「選挙は日曜の朝から始まる」
男性「選挙運動は土曜の夕方までじゃないですか」
秀子容疑者
「バカね、勝負は日曜日に決まるのよ。相手陣営は
お金がないから一票5000円だけど、うちは2万円」
。
秀子容疑者は自慢げな様子だったといい、男性は
「投開票日朝に現金を有権者に渡すことで、票が動く
ということを十分に分かっていた」と話した。
男性によると、これまで買収選挙に秀子容疑者の
名前が取り沙汰されたこともあったという。
「ある病院職員が選挙違反で指名手配されたため、
虎雄理事長の指示で時効まで逃亡させた。彼が捕まる
と秀子夫人に波及する危険性があったからだ」
また、グループを古くから知る男性は、ある選挙で
逮捕された現役幹部から
「捜査員に『お前がしゃべらなかったら、その代わり、
秀子夫人を呼ぶぞ。それでいいのか』といわれ、
『全部私がやりました』で通した」と聞いたという。
■虎雄氏病気後は「名代」として存在感
虎雄氏がALSを発症し、政界引退を決めたころか
ら、一歩引いた立ち位置にいた秀子容疑者の役割に
変化が出始め、「虎雄氏の名代」としての存在感が増
していったという。
出馬を固辞した次男の毅氏に、
「出馬しないなら、私が出る」
と説得したのが秀子容疑者だった。
昨年12月の衆院選では、病気療養中だった虎雄氏
の「毅の選挙に全力で当たれ」という指示のもと、
美千代容疑者らとともに陣頭指揮を執るなど前面に立
って活動。
地方議員や昔からの支持者に投票を呼び掛けるなど
精力的な選挙運動を繰り広げた。
「昔みたいに期日前の票をまとめちゃえばいいのに。
なぜやらないの」。
関係者によると、秀子容疑者はいらだったように
こう繰り返した。
買収してでも有権者を期日前投票に連れ出した過去
の選挙と比べ、選挙運動が生ぬるいと感じていたよう
だったという。
事務所に詰めた幹部職員は
「秀子さんが過去の買収選挙のことを言っているのは明
らかだった。現地で必死に選挙運動をしていた職員らは
眉をひそめて聞いていた」と振り返った。
■選挙とカネの現場にも立ち会う
一方で、徳洲会マネーにも深いかかわりがあるとされ、
選挙戦では衆院選公示前の昨年11月下旬、病院幹部を
鹿児島市内の自宅に呼び、2千万円を手渡していたと
される。
この2千万円は奄美地区の裏の選挙資金になったとい
い、秀子容疑者の逮捕容疑にもなった。
また、東京都の猪瀬直樹知事(67)が毅氏から個人
的に借りたと主張する5千万円を返した相手も秀子容疑
者だった。
元幹部は秀子容疑者をこう評した。
「全国に病院を作るという虎雄理事長の夢を一番身近で
分かっていたのが秀子さんだった。『医療革命』という
大義のために必要なら法でも犯すという虎雄理事長に
共感していたのだろう。夫に尽くし、子を愛した結果と
はいえ、許されることではない」
昔は、現金と言う実弾が、飛び交うのが、選挙でした。
選挙事務所では、酒だ、すしだと、呑ませ食わせるの
も普通で、そうした事をしない候補者は、落選するの
が、当然でしたね。
選挙民も美味しい物を食べられる訳で、選挙を楽しみ
にする人達は、多かった様ですね。
1人幾らで、票の取りまとめをする輩も公然と居た訳
で、多くは、労組絡みだったと記憶してます。
あからさまな実弾は、無くなりましたが、労組は、未
だ、組合員に半強制して、投票を迫りますから、あま
り、構造は、変わって無いのかも?知れませんね。
そうした実弾飛び交う時代から、様変わりしたとは、
言え、やはり、政治に、と、言うより、選挙には、
お金が掛るのに変わりは無い様ですね。
こと東京の副知事を務め、実績、知名度に於いて、
断トツだった、猪瀬さんさえ、危険なお金に手を
出してしまう位ですから。
いくら有っても足らないものが、選挙資金なんで
しょうね。
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「父子の野望」支え半世紀。「選挙は日曜朝からよ」逮捕された徳洲会「ゴッドマザー」の人生。
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