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「何もやりたくない」から始まった
ユーチューバー 数字にはこだわりも
2014年11月24日 05:30 スポニチ
外出先で自身の動画を編集するMasuo
Photo By スポニチ
大手動画サイト「ユーチューブ」への動画投稿を
なりわいにしている人たちがいる。
彼らは「ユーチューバー」と呼ばれ、400万人
の視聴者を持つネット世代のカリスマもいる。
いったいユーチューバーとして働くとはどういう
ことなのか。
“脱サラ”してユーチューバーへ転じた青年の暮ら
しに迫った。
都内にあるマンションの一室。
1LDKで1人暮らししている男性(25)の
ユーチューブでの名前は「Masuo」。
居間に設置したビデオカメラに向かって陽気に話
し掛ける。
「は~い、どうも!Masuo TVで~す」。
明るい声が誰もいない部屋に響く。
お題はネットやテレビで話題になっていた冷凍
タマゴ。
カチカチに凍らせたタマゴを包丁で半分に切って
目玉焼きに。
続けて、解凍したタマゴをご飯にかけてかきこん
だ。
常温のタマゴより黄身が濃厚なことを説明しなが
ら「ウマい」を連呼した。
これは10月に「ユーチューブ」へ投稿した動画
。
撮った映像は、効果音や字幕が加わり4分53秒
の動画となり、公開から1カ月で再生回数は40万
回を超えた。
収入源はユーチューブ側からの報酬。
投稿した動画に自動的に広告が掲載され、その
広告収入の一部が得られる仕組みだ。
一部では
「再生回数100万回につき10万円が目安」とも
言われており、これに準じると冷凍タマゴを食べる
だけの動画で4万円を稼いだことになる。
このほか、再生回数の多かった動画の一つが、
東京湾に浮かぶパーキングエリア「海ほたる」へ遊
びに行った時のもの。
友人と3人で施設内にあった1000円の高級
ガチャガチャに一人ずつ挑戦した様子を紹介。
投稿された動画は3カ月超で再生回数が100万
回近くに達した。
記者は「これで10万円になったのか」と考えて
しまい、むなしさが胸に去来した。
「伝える」という観点では新聞記者も同じなのに、
こちらは鬼部長に毎日「バカ」だの「使えない」
だのとののしられる日々。
いまも、幼子の泣き声を聞きながら休日に自宅で
この原稿を書いているのに…。
その一方で、Masuoは嫌な上司などいない。
しかも、本人いわく月収は
「家賃を払えて食ってはいけてる。同い年のサラリ
ーマンと同じぐらい」というから、なかなかだ。
Masuoにとって、何げない日常を伝えること
が飯の種になると実感したのは3年前。
はり灸(きゅう)マッサージ師の資格を取得後、
2011年から1年間、カナダで働いた。
日本人向けの現地情報などをブログで伝え、
その広告収入が小遣い稼ぎになることを知った。
帰国後ははり灸マッサージ師を続けながら、
2012年8月にユーチューブで
「Masuo TV」を開設。
幼なじみで400万人以上の視聴者を持つ
HIKAKIN(25)の成功に影響されたのも大
きかったが、本心は
「何もやりたくなかった。自分が稼働してない時で
も稼いでくれる仕組みってなんだろう。なおかつ、
自分が楽しいものってなんだろうって本気で考えた
結果なのかもしれない」。
今年2月に前職を辞め、活動に専念。
売り上げやノルマを求められることもない。
しかし、縛るものがなくなったかといえばそうで
はなかった。
Masuoが起きるのは決まって午前8時頃。
すぐにパソコンを立ち上げて、前日までの動画の
再生回数、チャンネル登録者数(視聴者数)、動画
への評価などをチェックするのが日課だ。
新作も毎日午後7時に更新。
撮影から編集を経て、1本の動画が出来上がる
まで早くても2時間はかかる。
余裕があるように見えて、時間に追われる日々が
繰り返される。
「数字を意識しなくなったら仕事じゃなくなる」。
束縛するものがないように見えて、数字が彼を縛
っている。
そもそも、ユーチューブがある日突然、閉鎖し
たらどうするつもりか。
素朴な疑問をぶつけてみたら
「そうですよね。どうしたらいいと思いますか?」
と答えた。
Masuoの名刺に連絡先はない。
代わりに、自身のチャンネルのアドレスやツイ
ッターのアカウントなどが記されている。
肩書は「YouTuber(ユーチューバー)」
。
自分にとって楽しかったことを不特定多数の人へ
伝える仕事。
毎日をどうやって楽しむか。
そのプロがユーチューバーなのかもしれない。
自分の好きな事をやって、食べて行ける。と言うの
は、幸せな事ですね。
しかも、しがらみが無い訳で。
ただ、厳しい面も有ります。収入が安定しないので
すから。
本当にプロの世界です。
私では、無理な世界です。
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「何もやりたくない」から始まった。ユーチューバー 数字にはこだわりも。
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