http://www.sankei.com/affairs/news/141027/afr1410270001-n1.html
【海外衝撃事件】
再び“安全不感症”韓国社会を浮かび上がらせたコンサート
崩落の「悲惨」…一方で「補償」めぐる意識変革の兆しも
2014.10.27 06:00 産経新聞
アイドルグループなどのイベント中に崩れ落ちた
地下駐車場換気口の覆い
17日、ソウル郊外(聯合=共同)
韓国ソウル近郊の野外コンサート場で換気口の
ふたが崩壊し、16人が転落死した事故から
24日で1週間。
死者・行方不明者304人を出した旅客船セウ
ォル号の沈没事故からまだ半年しか経っていない
だけに、韓国社会は安全軽視の事故再発を重く受
け止めている。
韓国メディアからは国民の「安全不感症」を戒
める声が上がる一方で、繰り返される遺族と行政
の激しい対立を嫌気し、これを機に新たな韓国
社会への脱皮を求める意見も出ている。
(ソウル 藤本欣也)
× ×
事故は17日(金曜日)の午後6時ごろ、ソウ
ル近郊の京畿道城南市で開かれていた野外コンサ
ートの最中に起きた。
ファンら約700人が詰めかける中、一部の
観客は舞台をもっとよく見ようと、周りより
1・3メートルほど高い、縦5メートル横3メー
トルの換気口のふたの上に乗って声援を送ってい
た。
その際に突然ふたが崩れ落ち、乗っていた27
人が地下4階の十数メートル下に転落。
16人が死亡、11人が重軽傷を負った。
さらに翌18日朝、イベントで安全対策を担当
した男性職員(37)の遺体が現場付近の路上で
見つかった。
警察から事情聴取を受けた直後だった。
インターネットの交流サイトには
「亡くなられた方々に本当に申し訳ない」などと
謝罪の言葉がつづられており、飛び降り自殺した
とみられている。
事故直後、換気口の大きな穴から土煙が上がる
中、韓国の女性アイドルグループ「4ミニッツ」
は何も知らずに、舞台で歌い続けていた。
大音響のせいで悲鳴が聞こえなかったのだ。
4ミニッツは2009年にデビューした女性5
人組のグループで、韓国をはじめ、日本、台湾、
香港などで人気がある。
ユニット名には「4分間で魅力を披露する」と
いう意味と、
「for minute(瞬間)にベストを尽く
す」という意味が込められている。
歌い終わった後に事故を知ったメンバーたちは
大変なショックを受けているという。
犠牲者は20~40代。事故が起きたのが帰宅
時間帯だっただけに、アイドルのファンだけでは
なく、たまたま通りかかった会社員や住民らも巻
き込まれた。
ある男性(47)は、がんを患い闘病中の妻
(45)と散歩に出て事故に遭い、2人とも亡く
なった。
3人の子供が残されたという。
□ □
「またもや、“安全”が地に落ちた」(東亜日報)
「いつまで、このような後進国型の惨事が続くの
か」
(京郷新聞)
翌18日組の韓国各紙は1面トップで大々的に
報じ、特集記事や社説などで事故を検証・論評した。
半年前の大惨事の教訓がなぜ生かされないのか-
という視点の記事が多かった。
というのは、4月16日のセウォル号沈没事故の
後、朴槿恵大統領が
「この事故を機に本当に安全な韓国をつくる」と
宣言したにもかかわらず、大型事故が相次ぎ、しか
も、いずれも安全に関する法令違反が指摘されてい
るのだ。
5月26日にはソウル郊外のバスターミナルで
火災が起きて乗客ら8人が死亡。
その2日後には全羅南道・長城郡の高齢者向け
療養型病院で火災が発生し21人が死亡した。
そして、今回の崩落事故である。
「“安全不感症”のために惨事を自ら招いているの
ではないか」。
中央日報は社説で、国民1人ひとりの責任を問う
た。
朝鮮日報は今回の事故が起きた原因について4つ
指摘している。
(1)安全管理が法律で規定されていない野外スペ
ースでイベントが行われた
(2)換気口のふたに、どれだけの重さに耐えられ
なければならないか、などの安全基準がなか
った
(3)換気口のふたの上に乗っている観客を主催者
側が放置した
(4)観客たちの安全意識が低かった-である。
目撃証言では、
「換気口の上で男性が大声を上げながらピョンピョ
ン飛び跳ねていた」
「司会者が換気口の上の人々に『危険だから降りて』
と言ったが、だれも言うことを聞かなかった」らし
い。
警察当局は、イベント会場に安全要員が1人も配置
されていなかった点などを問題視し、イベントの安全
管理責任者の特定を急ぐとともに、換気口の管理状況
がどうなっていたのかについて重点的に調べている。
□ □
冷たい秋雨が降った20、21の両日、全犠牲者
16人の葬儀がそれぞれ営まれた。
韓国メディアによると、大事故が起きた際にこれほ
ど早く、全犠牲者の葬儀が行われるのは異例という。
なぜか。
大事故が起きるたびに補償問題がこじれるためだ。
朝鮮日報によると、
「遺族たちは一般基準よりはるかに多額の補償を要求
するのが常」で「補償問題をめぐり当局と対立してき
た」。
政府などが要求に応じないと、
「遺族たちは合同焼香所を設けて葬儀を先送りする
方式により、自分たちの思いを貫徹しようとする」。
そのうち、野党勢力が加勢し、社会・政治的に深刻
な対立を招き、にっちもさっちも行かなくなる-。
まさにセウォル号事故がたどった道だ。
事故対応をめぐる与野党の対立で国会が長らく空転。
補償問題も難航している。
世論も一変し、強硬な要求を続ける遺族の一部に厳
しい視線を向けているのが現状である。
しかし今回は、事故発生から「57時間後」の20
日未明、遺族と行政当局が補償問題で「電撃合意」に
達したと、韓国メディアが大きく取り上げた。
もちろん、17日の換気口崩落事故とセウォル号
沈没事故は大きく異なる。
犠牲者数が違うだけでなく、17日の事故では犠牲
者側の過失も指摘されている。
それでも、韓国メディアが強調してやまないのは、
今回の崩落事故の遺族代表が
「この事件を国家的な問題にはしない」
「関係者たちの刑事処罰も望んでいない」と発言して
いることだ。
遺族らはセウォル号沈没事故のような合同焼香所の
設置を求めず、葬儀の実施を優先させた。
「大惨事の処理で良い先例を残そうというのが遺族た
ちの思いだ」。
朝鮮日報は社説で、こんな遺族代表のコメントを
紹介した。
その上で、
「韓国社会は、大事故が起きても当事者たちがごり押
しをやめ、常識や道理に基づいて処理する文化を定着
させねばならない」と主張。
「(今回の事故の)遺族たちはそれが可能であること
を示してくれた」
とたたえ、社会の成熟に期待を寄せている。
果たして韓国は、常識に基づいて対応する新たな
社会へ脱皮できるだろうか。
それを願っているのは韓国国民ばかりとは限らない
。
今でも、韓国は、常識ある社会だとおもうのですが。
ただ、世界の常識とは、掛け離れてますが。
まあ、韓国は、韓国の常識のままでしょう。
不思議な国のままだと思いますね。
また、それで良いと思います。
世界の常識とかけ離れた、特異な国として、歩むの
も、悪く無いのでは?
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再び“安全不感症”韓国社会を浮かび上がらせたコンサート 崩落の「悲惨」…一方で「補償」めぐる意識
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