http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131219/waf13121907000002-n1.htm
【衝撃「未解決」事件の核心】
法廷で犯人に問いたい「妻の最期の言葉は何だったのか」…
神戸の主婦刺殺、夫の悲痛な思い
2013.12.19 07:00 産気新聞
寺田和子さんが帰宅中、犯人に刺殺された
神戸市営地下鉄妙法寺駅近くの歩行者専用道路。
深夜になると電車の乗降客以外は人通りが途絶え
る。事件からすでに11年近くが経過した今も情報
提供を呼びかける看板が立てられているが、
情報数は極めて少ない
神戸市須磨区
寒さが厳しい平成15年2月の金曜日の深夜だった。
惨劇が起きたのは、神戸市須磨区横尾の市営地下鉄
妙法寺駅近くの歩行者専用道路。当時、人通りはほと
んどなかったという。
この近くで暮らしていたパート従業員、寺田和子
さん=当時(44)=は同駅で下車した後、自宅へ向
かってこの道路をゆっくりと歩いていた。
左手でかばんを持ち、右手で携帯電話を操作しなが
ら歩いていたとみられる。
しかし下車から12分後、大量の血だまりの中で
あおむけに倒れ、変わり果てた姿で発見された。
左太ももの内側を鋭利な刃物で一突きされ、失血死
していたのだ。
■犯人は2人組説も
捜査関係者によると、寺田さんは、強盗犯にかばん
を奪われそうになり、抵抗した際に刺されたとみられ
る。
手などに争ったような傷はなかった。
歩行者専用道路の高さ約3メートルのコンクリート
側壁には当時、血痕が残り、真っ二つに折れた携帯
電話も落ちていた。
通報を恐れた犯人が壊したのだろう。
近くの山林では現金などが抜き取られたかばんが見つ
かった。
歩行者専用道路は駅の南にある。
東側に公園、西側にはコンクリート側壁。階段に挟ま
れているため、車は進入できない。
深夜になると、地下鉄が到着するたび、下車して家路
を急ぐ住民らが断続的に通るものの、その合間は人が途
切れる。
持病に配慮していつもゆっくり歩いていたという寺田
さんは下車してから、次第に人波から離れていったと
みられる。
その間隙(かんげき)を突いたような犯行だ。
このため、
「犯人は2人組で、実行役と見張り役がいたのではない
か」との見方も浮上している。
寺田さんの夫(56)もそう考える一人だ。
実際、寺田さんの1本前の電車を降りた男性が、現場
付近で不審な行動をする若い男2人組を目撃しているの
だ。
寺田さんの夫はいう。
「いつ人が来るかわからない場所で、犯人は誰にも見ら
れることなく現場から離れている。犯行には見張り役が
いたはずだ」
■進まぬ捜査へいらだち
事件の発生時間が深夜だったため、目撃情報は極めて
少ない。
兵庫県警須磨署捜査本部に寄せられた情報はこれまで
に計約150件(11月末現在)。
犯人に結びつく有力な手がかりはなく、未解決のまま
いつしか10年以上が経過した。
犯人が捕まらないまま迎えた四十九日は、4月上旬で
桜の季節だった。
遺族の暗澹(あんたん)たる心境とは裏腹に、ぼだい
寺の境内には満開の桜が咲いていた。
夫の脳裏には、今も鮮やかにその光景がよみがえる。
「捜査員も『四十九日までに捕まえたい』と言っていた。
期待が大きかった分、失望も大きかった」
事件から約10カ月後の12月。
情報提供を呼びかけるため自費で1万枚のチラシを作
って配布した当時、
「現場で『申し訳ない』と何度も謝っている人を見た」
という情報が浮上した。
捜査本部が事件直後から把握していた情報だったが、
結局、誰のことなのか分からなかったという。
期待と落胆の連続。夫は
「思うようにいかないことが積み重なって、むなしさと
悔しさが入り交じり、いつも何かに怒っていた」
と振り返り、事件から11年近くが経過した今の心境に
ついても「犯人を殺してやりたい気持ちは変わらない」
と言い切る。
■犯罪被害者の会が懸賞金
今もふとした瞬間に妻と過ごした日々の記憶がよみが
える。
努力家でしんの強いところにひかれた。
湊川神社(神戸市中央区)で挙げた結婚式。
2人の子供に恵まれ、家族で出掛けた花見や海水浴…。
思い出は突然断ち切られた。
事件当時、高校1年生だった長男は27歳に、
小学5年生だった次男は22歳になった。
成長した兄弟の姿を見れない妻をふびんに思う。
事件後、夫は全国犯罪被害者の会「あすの会」に入会
した。
妻を奪われた喪失感を埋めるように、犯罪被害者等
基本法の成立や殺人罪などの公訴時効撤廃に向けた署名
集めなどの活動に邁進(まいしん)してきた。
「同じ思いを抱える仲間とともに一生懸命活動し、達成
感があった」という。
捜査が難航する中、あすの会は有力情報に対して、
最高300万円の懸賞金を設けた。
夫も毎年、支援者らとともに情報提供を求めるチラシ
を街頭で配っているが、事件がすっかり風化したと感じ、
心が折れそうになることもある。
それでも決してあきらめることはない。
犯人が捕まれば、自らが成立にも携わった被害者参加
制度を利用して法廷でこう問いたい、という。
「妻の最期の言葉は何だったのか」と。
【用語解説】
神戸・須磨区の女性路上刺殺事件
神戸市須磨区横尾の路上で平成15年2月21日午後
10時45分ごろ、パート従業員、寺田和子さん=当時
(44)=が歩いて帰宅中、何者かに左太ももを刃物で
刺され、死亡した。
現場から約300メートル離れた山林で現金が抜き取
られたかばんが発見され、兵庫県警須磨署捜査本部は
強盗殺人事件として捜査。
現在8人態勢で捜査を継続している。
情報提供は須磨署捜査本部
((電)078・731・0110)。
この所、こうした未解決事件の記事を載せてて、思う
事は、事件と言うのは、時間と共に風化して行く。と、
言う事。
そう言えば、3年前の大地震でさえ、時間と共に風化
し始めてます。
原発全廃の声も消えかかってます。
もっとも、私は、原発再開には、賛成ですが。
いえいえ、いずれは、廃止して貰わないと、お金が、
幾ら有っても足りませんから。
あくまでも、代替え施設の建設までの再開が、条件で
す。
動かしても、停めていても、お金が掛るのなら、動か
して、投入する税金を抑える方がマシ。と、考えて
ます。
その分の税金は、復興に回すべきでしょう。
話は、逸れましたが、こうした未解決事件も、出来る
限り、取り上げるのが、良いな。
無念な思いの遺族の方々の事を考えるとね。
新たに事件を見直す機会になるかも?知れません。
年々、乏しくなって行く情報も増えたら良いなー。と
の思いも有ります。
定期的に見直すのは、良い事でしょう。
今は、そんな思いを持ってますが、その思いもまた、
風化して行くのかな?
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とっても古い記事ですが。法廷で犯人に問いたい「妻の最期の言葉は何だったのか」…
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