http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121027/waf12102712000010-n1.htm
【衝撃事件の核心】
不可解な“悲鳴”、祖母はなぜ火をつけたのか
娘と孫3人死亡
2012.10.27 12:00 産経新聞
炎を上げて燃える住宅
5月28日未明、滋賀県湖南市吉永
(読者提供)
放火犯は祖母だった-。
滋賀県湖南市で今年5月、
住宅が全焼し中高生の姉妹と
母親の3人が死亡した火災で、
現住建造物等放火の疑いで
同居していた姉妹の祖母、
依田(よだ)好子容疑者(66)
が10月16日、滋賀県警に逮
捕された。
家族3人が亡くなる悲惨な火災
に親族や友人らが涙したが、火を
つけたのが祖母だったと判明し、
やりきれなさが漂う。
祖母は体調悪化によるストレス
で精神的に追い詰められていたと
されるが、なぜかわいい孫や娘
まで巻き込んだのか。
■現金、外出用の服…
500m先の家に「助けて!」
「まだ中に娘たちが!」
火災が起きた5月28日未明、
燃えさかる滋賀県湖南市吉永の
木造2階建ての自宅前で、
こう近所の人たちに助けを求め
る依田容疑者の姿が目撃されて
いた。
だが、滋賀県警によると、
依田容疑者は外出用の服装で
逃げ出しており、現金を入れた
かばんも持っていた。
履物も外出用の靴だったと
いう。
用意周到な依田容疑者の格好
に「なんで」と違和感を覚える
近所の人も多かった。
捜査関係者によると、
依田容疑者は
「1階居間に火をつけた」
と供述している。
真上の階には死亡した3人が
寝ていた。
県警は放火を事前に計画して
いた可能性もあるとみて調べて
いる。
さらに、依田容疑者が出火直
後、現場から約500メートル
離れた元区長宅や、その近隣に
ある数軒の家を訪れ、
「家が燃えている」と助けを求
めていたことを複数の住民が
証言している。
元区長は、
依田容疑者が数年前に地域の
会合などで世話役を担っていた
当時から知り合いだったという。
発生現場は新しい住宅が並ぶ
が、元区長宅周辺は古くからの
家が多く、両地域の交流は盛ん
ではなかった。
住民らから
「(依田容疑者が)なぜわざわ
ざ遠くまで助けを求めに行った
のか」
と疑問の声が起き、逮捕前から
依田容疑者を怪しむ人もいた。
県警は自身の犯行を隠すため、
あえて地域で責任ある役職を務
めた元区長宅に真っ先に助けを
求めた可能性もあるとみている。
■睡眠薬でも眠れず
依田容疑者が逮捕されたのは
10月16日夜。
最近まで精神的な疾患を理由
に入院していたが、退院後に
犯行を自供したため、県警が
逮捕した。
逮捕容疑は5月28日午前4
時ごろ、当時自宅だった同市
吉永の木造2階建て住宅に放火し、
約120平方メートルを全焼させ
たとしている。
県警の調べに対し、依田容疑者
は「間違いありません」と容疑を
認めたという。
火災は鎮火まで約4時間かかる
ほど火の勢いが強く、焼け跡から
は3人の遺体が見つかり、
数日以内に、依田容疑者の長女で
会社員の太田奈弓(なゆみ)さん
=当時(43)、奈弓さんの長女
で県立国際情報高校2年の玲菜
(れいな)さん=同(16)=と
次女で市立甲西中学校2年の郁乃
(あやの)さん=同(13)=と
確認された。
出火当時、依田容疑者と夫は
1階にいて、死亡した3人は2階
で寝ていた。
夫は頭にやけどを負ったが、
依田容疑者だけ無傷だった。
複数の住民によると、依田容疑
者は火災の直前まで、
「ずっと体の調子が悪い。最近は
睡眠薬を飲んでも眠れない」
などと訴えていたという。
■追い詰められる?
地域イベントで依田容疑者と
一緒におにぎりをつくったことが
ある現場近くの70代の主婦に
よると、依田容疑者は
「10年ほど前から体調が悪い。
そこら中に爆弾を抱えている」
とこぼし、
「ネコの鳴き声がうるさくて眠
れない」
と苦情を訴えることもあった。
また、70代の男性によると、
依田容疑者は1年ほど前に手術
をしたがあまり眠れず、男性の
妻に
「睡眠薬6錠を飲んでも眠れな
い」と話していたという。
さらに50代の女性によると
火災の数日前、依田容疑者が
死亡した孫の郁乃さんのパソコ
ンを壊したり服を隠したりした
といい、郁乃さんが
「服を隠されたので外に遊びに
行けない」
と困っていたこともあったと
いう。
県警は依田容疑者が、
体調不良による精神的ストレス
や、家族間のトラブルで追い詰
められていた可能性もあると
みている。
一方で、依田容疑者について
は、「社交的」「世話好き」と
いった人物評もある。
60代の主婦は「陽気な人」
と表現し、
「車ですれ違うと、必ず手を
あげて挨拶(あいさつ)して
くれた」と振り返った。
ただ、依田容疑者から最近
睡眠薬を飲んでいることを聞き、
「陽気に見えるやろうけど違う」
とも耳にしていた。
■現場は更地に
未明の火災は近所の人たちが
驚くほど激しい炎を上げて燃え
た。
出火当時、火災を目撃した近
くの50代の男性会社員は
「『火事やー』という周りの騒
がしい声で目が覚めた。外に出
てみると、2階建て民家の倍
くらいまで炎があがっていた」
と話し、家の外で依田容疑者の
夫とみられる男性が裸足でしゃ
がみ込んでいた姿も目撃して
いた。
また、近くの60代の女性は
「バン、バンという音が5回
ぐらいして目が覚めた。何だろ
うなと思って外に出てみると、
ものすごい火事だった」といい、
「ただ見つめるしかなかった」
と振り返った。
火災当日、玲菜さんが通って
いた滋賀県栗東市にある県立
国際情報高校では全校集会が
あり、玲菜さんが行方不明に
なったことが報告された。
別の高校に通う友人は
「電車で学校に一緒に行った。
よくしゃべり、明るくて、面倒
見がよかった」
と話していた。
郁乃さんが通っていた湖南市
の甲西中学校でも全校集会が
あり、郁乃さんが行方不明で
あることを伝えていた。
郁乃さんと同じテニス部に
所属していた同級生は
「テニスがすごくうまかった。
もっと話をしておけばよかった。
まだ信じられない」
とうつむいていた。
一夜明けた29日には、火災
現場を親族や友人が訪れ、手を
合わせる姿が見られた。
奈弓さんと小、中、高と同級
生だった女性は全焼した住宅を
目の当たりにして
「あそこまで焼けるなんて」
と絶句。
「今年(奈弓さんから届いた)
年賀状に『ランチに行こうね』
と書かれていたのに…」
と言葉を詰まらせた。
新興住宅地で起きた今回の
火災。
5カ月が経過した現在、全焼
した住宅は更地に変わり、跡形
もない。
周囲は家々が密集しているが、
焼けた住宅跡だけがぽっかりと
空いている。
近所の主婦(62)は
「放火と聞いてびっくりした。
火事のときは火の不始末かなと
思っていたのに。まさか…」
と身内による放火という結末に
呆然(ぼうぜん)としていた。
3人の命を奪った放火事件だ
が、依田容疑者はなぜ犯行に及
んだのか。
滋賀県警の捜査は続いている。
この事件も記事にしましたが、
未だ動機が、判らない事件です。
娘や孫まで、何故、殺さなきゃ
ならなかったのか?
宗教がらみなら、何となく判る
のですが。
ひょっとすると、犯人自身も
動機が、判らないのかも?
知れません。
それほど、病んで居たのかも
知れませんね。
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【衝撃事件の核心】 不可解な“悲鳴”、祖母はなぜ火をつけたのか。娘と孫3人死亡。
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