http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130907/waf13090707010001-n1.htm
【衝撃事件の核心】
プライド高きコソ泥の許し難き「卑劣」、資産家女性を殺したあまりに身勝手な動機
2013.9.7 07:00 産経新聞
殺害され、遺体で見つかった吉田久栄さん。
強盗殺人容疑で逮捕されたのは、
マッサージ機の無料体験会で知り合った
田口勝志容疑者だった。田口容疑者は、
吉田さんを“金のなる木”のごとく扱い、
金を引き出させていた
1億円余りの預金に複数の土地を所有する
資産家女性の遺体が8月、岡山県津山市の
山中で見つかった。兵庫県警は強盗殺人容疑
などで、知人で神戸市中央区の無職、
田口勝志容疑者(55)を逮捕した。
2人が知り合ったのは、マッサージ機の無料
体験会場。
田口容疑者は、老舗菓子屋の御曹司を自称し、
大胆な金遣いや社交的な性格から、
「羽振りがいい」「面倒見がいい」と周囲に思
われていた。
しかし、その実体は、窃盗事件の容疑者にも
かかわらず、プライドの高さゆえに逃亡先でも
身を潜めることなくウソを重ねて夜の街の
「顔役」を装い、資産家女性の「金」と「命」
を奪った卑劣な男だった。
(三宅令)
■血筋の良さアピール
「京都・祇園で代々続く老舗菓子屋の御曹司」
「岡山に広い土地や蔵をたくさん持っている」
田口容疑者の知人らによると、田口容疑者
は周囲に自分がまるで資産家であるかのよう
に吹聴していた。
自宅マンションの女性管理人(68)は
「礼儀正しく気さくな男だが、常に血筋が良
いというアピールを忘れず、プライドは高い
と思った」と評する。
隣の部屋に入居した18歳の男性の悩み
相談に乗り、兄貴分として振る舞うなど、
面倒見も良かったという。
しかし、捜査関係者によると、田口容疑者
の“自己アピール”は真っ赤なウソだった。
実際は平成18年8月、広島市中区のホテ
ル個室で、当時の勤務先の同僚だった60代
の男性から現金24万9千円などを盗んだ疑
いで、広島県警に行方を追われていた
「お尋ね者」。
さらに、それ以前にも強盗事件も起こして
いた。
逃亡先の神戸市では心臓に持病を抱え、
生活保護を受給していた。
■出会いはマッサージ機の体験会場
田口容疑者に転機が訪れたのは今年3月。
神戸市中央区のJR三ノ宮駅近くにあった
マッサージ機の無料体験会場で同区の無職、
吉田久栄さん(87)と知り合ったことだった。
人当たりが良い田口容疑者は、すぐに吉田
さんと意気投合。
互いの家を行き来し、隣の部屋に住んでいた
18歳の男性を交えての友達付き合いが始まっ
た。
3人を知る近所の男性は
「まるで母、子、孫のような組み合わせだった」
と振り返る。
吉田さんは神戸市灘区に複数の土地を持ち、
預金約1億円も持つ正真正銘の資産家。
家族は福祉施設に入所する一人娘だけで、
自身は阪神大震災後に建てられた災害復興住宅
に一人で暮らしていた。
吉田さんは周囲に
「娘のためにお金を残してあげたい」
と娘に深い愛情を注ぐ一方、
「財布には常に現金40~50万円が入ってい
る」と豪語し、金銭的に困っている人には援助
もしていたという。
田口容疑者は吉田さんと付き合い始めて間も
なく、吉田さんが資産家であることに気づき、
すぐさま“金のなる木”に触手を伸ばし始めた。
捜査関係者によると、吉田さんは日記を兼ね
た家計簿のようなものをつけており、田口容疑
者や男性と旅行や外食に出掛けたりするたびに
数十万円の現金を渡したり、服飾品をプレゼン
トしたりしていたことが記録されていた。
ある捜査員は
「吉田さんは孫のような年齢の男性をよりかわ
いがっていたと思う。田口容疑者はそれを上手
に利用して現金を引き出していたのではないか」
と指摘する。
田口容疑者の生活は派手になった。
吉田さんから現金を受け取り、男性ら若者を
引き連れ、神戸・三宮周辺の繁華街を飲み歩い
た。
知人の中国人留学生の男性は
「高級寿司店に3回も連れて行ってもらった。
『お金持ちなんだ』と感心した」と話す。
スナックなどでも
「オレはこの辺の飲み屋の顔役だから」
と自慢していたという。
■預かった大金使い込み
吉田さんからさらに大金を引き出そうとした
のか、田口容疑者は5月上旬、虚偽の資産運用話
を持ちかける。
「もっと利率の良い銀行に預けたほうがいい。
口座を作ってあげる」。
信じた吉田さんは銀行で一括で現金1千万円を
下ろして田口容疑者に預けたが、口座開設は本人
しかできないことを思い出すと、すぐに返済を求
めた。
だが、田口容疑者は1千万円を手元に残し、
知人との飲食や服の購入など遊興費に500万円
近く使い込んでいた。
返済を先延ばしにする言い訳がもはや通じない
と悟ったのか、田口容疑者は5月27日、朝から
レンタカーを借り、吉田さんに
「田舎の蔵を掃除するから手伝ってほしい」と、
出身地で親族が住む岡山県津山市へのドライブに
誘った。
日帰りと思った吉田さんは、留守にすることを
誰にも告げずにレンタカーに乗り込んだ。
その後、二度と神戸に戻ることはなかった。
6月上旬、吉田さんの娘が入所する福祉施設の
関係者から兵庫県警葺合署に
「(吉田さんと)連絡がとれない。まな娘を置い
て、自分からいなくなるはずがない」
と相談が寄せられ、行方不明者届が提出された。
県警捜査1課は、洗濯物が部屋に干しっぱなし
だったなど失踪に不審な点が多かったことから
内偵を進めた。
そして、6月18日に窃盗容疑で広島県警に
逮捕された田口容疑者が捜査線上に浮かんだ。
8月7日、田口容疑者の供述に基づき、岡山県
津山市の山中から粘着テープや布に巻かれた吉田
さんの遺体が見つかった。
翌8日、田口容疑者は広島簡裁で執行猶予付き
有罪判決を受けると、そのまま兵庫県警に身柄を
移され、死体遺棄容疑で逮捕された。
■「虚構の崩壊」恐れ
「預かった1千万円の返済を逃れようと、遺棄
現場近くの車内で、吉田さんの頭から袋をかぶせ、
粘着テープを巻きつけるなどして窒息死させた」
田口容疑者は逮捕当初から、吉田さん殺害を
素直に認めていた。
事前に粘着テープを用意するなど、計画的な
犯行だったとみられ、8月29日には強盗殺人
容疑で再逮捕された。
ある捜査関係者は、田口容疑者について
「殺害について聞いたとき、どこか肩の荷が下り
たような顔をしていた。大体、吉田さんの顔を見
るのが怖くて袋をかぶせたような男。捕まって
安心した部分もあるのじゃないか」と指摘する。
別の捜査関係者は、殺害に至った動機について
「返済を迫る吉田さんにウソを重ねるのが面倒臭
くなったのだろう。田口容疑者はプライドが高い
男。取り巻きのいる神戸は居心地が良く、
『虚構』が崩れるのが殺人よりも耐え難かった
はずだ」と推測する。
一方、吉田さんをよく知る男性はこう悔しがっ
た。
「正直に『使い込んでしまった。ごめんなさい』
と謝れば、おばあちゃんは許してくれたような気
もする。なんで身勝手な理由で殺されなきゃなら
なかったのか」
この記事の内容を読む限り、私も正直に話して、
残金を返済すれば、彼女は、許したのでは無い
か?そんな気がします。
殺す事は無かった様に思います。
正直に話してさえ居れば、関係は続いた様にも
思えます。
楽して、生活して行けただろうに。
もっとも、金づるとしての関係が、長らく続け
られるとは、思えないので、いづれは、殺人に
行きついたのかもしれないとも、思います。
早いか、遅いかの問題だったのか?
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プライド高きコソ泥の許し難き「卑劣」、資産家女性を殺したあまりに身勝手な動機。
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