http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130815/waf13081507000001-n1.htm
【岡田敏一のエンタメよもやま話】
中国は高齢者も恥知らず 規制ないと帰省せぬ子…寂しくて回春、HIV感染する親たち…
2013.8.15 07:00 産経新聞
高齢化が急加速している中国
(長谷川周人撮影)
今年も、はや、お盆休みの帰省シーズン、
きょうは「終戦記念日」です。
帰省ラッシュに巻き込まれた方には大変申し訳
ないですが、帰省の大渋滞は日本の文化、
というか風物詩のひとつとなりました。
田舎に帰って、田舎に住む親御さんたちととも
に先祖の霊を迎え入れ、供養して、送り返すと
いうお盆を日本人がどれほど大切にしているかと
いうことを内外に証明しているのがあの大渋滞の
光景なのです。
日本の夏。
大渋滞の夏…。
ところが、世界中で恥の文化をばらまき続ける
中国では、全く里帰りもしないで田舎に住む高齢
の親を何年も放ったらかしにしている連中が激増
しているのです。
そのため、親と離れて暮らす子供に対し、高齢
の親元を頻繁に訪れることを義務付けるという
前代未聞の法律が7月1日から施行されたのです。
■日本の総人口より多い…高齢者2億人
7月3日付の米CNNテレビ(電子版)などが
伝えていますが、急速な近代化と経済発展を遂げ
た中国では
「都会で一旗あげて、一攫(いっかく)千金を狙
おう」と親元を離れる若者が激増。
さらに親孝行を重んじる伝統が薄れ、深刻な
虐待の被害にあう高齢者まで増えているといい
ます。
こうしたことを防ぐため、わざわざ里帰りを法
制化したわけです。
「もっと親元に帰省せねばならないことは分かっ
ているが、(私のように)金融業界で働く者は、
長時間労働で自分の時間を犠牲にせねばならない
…」
上海の金融業界でマーケティング部門の要職に
付く女性、ローラ・ワンさん(28)は米CNN
の取材に苦しい心境を吐露しました。
ワンさんは毎年、春節(旧正月)と10月の国
慶節(建国記念日)の年2回、6時間かけて山東
省の実家に里帰りするといいます。
今の中国では、多くの若い世代がワンさんの
ように“仕事と里帰りの両立”というジレンマに
直面しているようです。
複数の中国系メディアによると、問題の法律は
「高齢者権益保障法」
を改正したもので、離れて暮らす親が60歳以上
の高齢者である場合、頻繁に実家に帰省するよう
規定しています。
また、経済的・精神的な援助を怠らないことや、
親との同居、または近くでの居住を奨励(しょう
れい)しています。
ただし、具体的な手続きや子供への罰則などは
定めていません。
■高齢者2億、いずれ総人口3割に
そして、こうした法律の施行に至った最大の
原因は急激な高齢化です。
中国国営新華社通信によると、1979年に始
まった人口抑制政策「一人っ子政策」の影響で、
中国の2011年末時点の60歳以上の人口は
約1億8500万人でしたが、これが15年には
約2割増の2億2100人に。
さらに50年には国民の3分の1が高齢者と
いう深刻な“高齢化社会”を迎えるといいます。
こうした状況に加え、急速な近代化と経済発展
で大家族制が歪み、成人後、親と同居せず都会で
暮らす若い世代が急増しています。
さらに、こうした状況を受け、親の放置や虐待
につながる事例も増えているのです。
香港科技大学の新興市場研究所長、アルバート
・パーク氏はCNNに対し
「多くの原因によって、伝統的な家族間扶養の
システムが崩れ始めている。政府はこの流れを食
い止めようとしている」と説明しています。
実際、中国東部の江蘇省(こうそしょう)では、
地元テレビ局が、農家の男性が100歳の母親を
体重約200キロの豚を飼っている豚小屋に
ずっと閉じ込めていたと報道。
さらに、7月1日付フランス通信(AFP)に
よると、江蘇省無錫(むしゃく)市の裁判所が
この日、施行されたばかりのこの法律にかんがみ、
無錫市に住む77歳の女性の娘夫婦に対し、
少なくとも2カ月に1度は母親を訪ねるよう命じ
る判決を言い渡しました。
中国の壮絶なド田舎でぽつんと住む高齢者の
生活がどんな状況かはご説明するまでもないでし
ょう。
いまの中国では年金や社会福祉制度は充実して
おらず、とりわけ農村部の高齢者の場合、子供へ
の依存を余儀なくされている状況です。
北京大学国家発展研究院の統計によれば、高齢
者の約2割は貧困ライン以下の生活を送っている
といいます。
さらに、放ったらかしにされ続ける高齢者には
新たな問題も発生しています。
2011年12月1日付CNNテレビ(電子版)
によると、中国では、50歳以上のHIV感染者
が05年は8%でしたが、09年には15%に
急増していたのです。
■貧困、買春1回500円…末路は感染
感染者のほとんどは男性。孤独から売春婦と性
的交渉に及んだ結果だといいます。
研究者の調査では売春婦に支払った平均額は
一回5ドル50セント(約550円)だったそう
です。
国連は、2011年時点での中国でのエイズ
感染者は78万人と推計していますが、このうち
の約半数は自分の感染に気付いていないと警告し
ています。
研究者らは、こうした状況を食い止めるには
「家族による心理的・財政的なケアが必要だ」
と訴えています。
今回の法律が制定された理由のひとつには、
こうしたHIV/エイズ感染者の急増も含まれる
と推測されます。
とはいえ、
さすがに法律での“親孝行の義務付け”には否定
的な声も少なくないようです。
中国のネット上では、罰則規定が未定のうえ、
帰省回数も「頻繁」と表現があいまいなため、
議論が白熱。
「法律で頻繁な帰省を義務付けても、真の親孝行
にならない」といった批判や
「仕事や勉強で実家を離れる若者に不当な負担を
強いる」との指摘が相次ぐ一方
「少なくとも親孝行の法的基準が設けられ、若者
の高齢者重視を促せる」
との肯定意見も目立ちます。
7月3日付CNN電子版にも
「子供たちはすでに配偶者や息子・娘を財政的に
世話するという重荷を背負っている」
「因果は巡る。両親を粗末にすれば、将来、自分
もそうされる」
と賛否両論の投稿があふれています。
(岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず)
1988年入社。社会部、経済部、京都総局、
ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、
編集企画室SANKEI EXPRESS
(サンケイエクスプレス)担当。
ロック音楽とハリウッド映画の専門家。
京都市在住。
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中国の国土は、広大です。
帰省に掛る労力は、日本の比では、無いでしょ
う。
都会に出たら、それっきりに成るのも判る様
な気がします。
鈴鹿から福岡に帰るのでも、億劫ですもの。
本当なら、年1回も帰りたくないのが本音です。
中国で、ど田舎から、稼ぎに来てる人達は、
帰省が、一大行事に成ってしまうでしょうね。
法で規制しないと、守らないと言うのが、中国
人気質だそうです。
不満を持つ人民も多いでしょうね。
お金掛りますもの。
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