http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130804/waf13080418000013-n1.htm
【衝撃事件の核心】
「もっと市民を大事にせんかい」
と宝塚市役所放火犯はうそぶいた…
税金督促に激高、逮捕後は黙秘の“身勝手”
2013.8.4 18:00 産経新聞
報道陣に公開された宝塚市役所1階の放火現場。
焼け焦げた机が炎の激しさを物語る。
逮捕された男は放火直後
「お前ら税金で食っとるんやろ。もっと市民を大事
にせんかい」と言い放った
7月14日午後、兵庫県宝塚市
(大塚聡彦撮影)
「オレの人生めちゃくちゃや。オレの答えはこれや」
。
男は怒鳴りながらカウンター越しに火炎瓶2本を
投げつけると、炎は瞬く間にフロア一帯に燃え広が
った。
7月12日、兵庫県宝塚市役所が放火され、職員
ら5人が負傷する事件が起き、兵庫県警は、
現住建造物等放火容疑で高橋昭治容疑者(63)を
逮捕した。
県警の捜査などから、税金滞納による市の預金
口座の差し押さえを機に生活が苦しくなり、市の
対応に不満を募らせていた高橋容疑者の様子が明ら
かになってきた。
「寡黙な腕利き職人」
としても知られていたという高橋容疑者は
「オレのやり方で決着をつける」
と言い残し、放火に走った。
(行場竹彦、猿渡友希)
■炎上する市役所
7月12日朝、高橋容疑者は20リットルのガソリ
ン携行缶を軽乗用車に積み込み市役所を訪れた。
ガソリン入りのポリタンクと火炎瓶2本を入れた
大きな手提げかばんを持って1階の市税収納課に向か
った。
窓口のカウンターに座ると、男性職員と向かい合っ
た。
話すうちに語気を荒らげて怒り出し、金融機関から
のローン催促状の入った封筒を職員に見せ、怒鳴り
つけた。
「預金を差し押さえたからこんなことになった。オレ
の人生めちゃくちゃや。オレの答えはこれや」
こう叫んだ高橋容疑者はいきなり、カウンター越し
に火炎瓶2本を投げつけた。
大きな爆発音がとどろき、火柱が上がった。
フロアは瞬く間に火に包まれ、庁舎は避難する職員
らの悲鳴や火災報知機のサイレン音が響き渡り騒然と
なった。
火は約1時間後に消し止められたが、壁や床面など
約2200平方メートルが焼損し、火炎瓶が頭を直撃
した男性職員(25)を含む男女5人が重軽傷を負っ
た。
その場を立ち去った高橋容疑者は自動販売機でお茶
を買って何事もないかのように飲み、たばこを吸おう
としていたところを市職員が取り押さえ、警察官に引
き渡した。
取り押えられたた際、高橋容疑者は
「お前ら税金で食っとるんやろ。もっと市民を大事に
せんかい」と悪態をついた。
■寡黙で不器用な腕利き職人
高橋容疑者が暮らす宝塚市内の自宅近所の住民など
によると、高橋容疑者は平成7年1月の阪神大震災で
被災した。
同年7月、金融機関から約2400万円の融資を受
けて市内に中古マンションを購入した。
当初は家族と住んでいたが、子供が独立してからは
1人で暮らしていたという。
金属加工の職人だった高橋容疑者。
東京に本社を置く機械設備会社の関西支社責任者に
よると、高橋容疑者は20年間にわたって、この会社
から仕事を請け負って生計を立てていた。
以前は若手の職人を数人雇うこともあったが、最近
は1人で仕事をしていたという。
昨年10月には岐阜県で3週間、機械修理の仕事を
請け負い、今年2月にも大阪で仕事をしたが、同社
からの携帯電話に出ないなど、次第に連絡が取れなく
なっていた。
最後に同社が仕事を依頼したのは6月初旬。
2日間大阪で溶接作業の若手指導を行った。
この責任者が「うちで若手に教えてみないか」と誘
ったが、高橋容疑者は
「このごろ体調が悪く、仕事をする気力もない」
と断り、その後連絡を取ることはなかったという。
高橋容疑者について、責任者は
「Aランクの職人。仕事が素晴らしく、周囲に一目置
かれる存在。寡黙だが、若手に指導するなど面倒見も
よかった。周囲からも慕われていたし、酒やばくちを
する姿を見たこともない。ただ、自分から仕事を求め
ることは一度もなく、生き方が不器用だった。事件を
知り、嘘だと思った」と肩を落とした。
■差し押さえ後に豹変
腕利き職人として知られていた高橋容疑者だったが、
その一方でマンション購入当初から固定資産税の滞納
が続いていた。
宝塚市によると、
8年から12年にかけて市税収納課に電話で6回、
納税について相談をしていたが、当時は声を荒らげる
ことなく冷静だったという。
ところが、15年8月、市がマンションを差し押さ
えると態度が一変。
同課を訪問したり電話したりと4回にわたり激しく
抗議した。
さらに市が預金を差し押さえた直後の昨年11月に
は、庁舎で対応した男性職員に
「市のせいでひどい目にあっている。もっと、ひどい
目に遭わせたる。家族も覚えておけよ」
と怒鳴り、携帯電話のカメラで男性職員2人の顔を
撮影した。
寡黙だったはずが、なぜここまで豹変したのか。
高橋容疑者から昨年秋に相談を受けた女性によると、
高橋容疑者は日頃クレジットカードで買い物をして
いた。預金の差し押さえ前、残高は約120万円あっ
たが、市はこのうち生活に配慮して約50万円を差し
押さえた。
しかし、カードを使用できなくなったため、
高橋容疑者は市に不満を募らせていたという。
「明日のパンを買うお金もない」
「オレのやり方で決着をつける」
などと女性にこぼしていた。
女性は
「以前は別の場所に仕事道具を置いていたが、『お金
がもったいない』といって、自宅マンションの庭に
道具を入れる小屋を建て、マンション住民とトラブル
になっていた。マンションを売って生活保護を申請
するようにアドバイスしたが、申請しなかった。生活
に困りながらも職人としてのプライドが邪魔したので
はないか」と振り返る。
■損害は1億4千万円
宝塚市は、今回の放火による庁舎の被害額を約1億
4700万円と算出している。
内訳は、炎上した壁面や天井の修理費約6900万
円のほか、電気設備工事費約2200万円、空調設備
工事費約5600万円。
今後、高橋容疑者に損害賠償請求した上で、市が
加入する全国市有物件災害共済会に火災共済金を請求
するという。
復旧工事には3カ月程度かかるが、必要なデータや
資料は残っていた。
市は警備員を増員し、警察に巡回要請するなど安全
対策を強化し、すでにすべての業務を再開している。
さらに部長級7人でつくる検証委員会も設置。
発生当時の状況と対応について全職員約2千人に
アンケートし、8月末をめどに中間報告をまとめる
方針を示している。
一方、捜査関係者によると、高橋容疑者は逮捕当初、
動機について「差し押さえに腹が立った」と供述した
が、その後の取り調べには黙秘を続けているという。
前代未聞の凶行の解明には、まだ時間がかかりそう
だ。
自治体の税金の取り立ては、厳しいです。
ご飯は、食べられなくなっても税金は、払え!と、
言う職員が、過去、居た位ですから。
市民の命より、税金と言う恐ろしい組織です。
もっとも別の部署では、生活保護を受け付ける所も
有る訳ですが。
この容疑者も女性のアドバイスに従っておけば、
こうした凶行に走らなくて済んだかも?知れないと
思うと、残念な事ですね。
それが、Aクラスの職人となれば、尚の事です。
背負う負債も大きくなった訳で、今後、どう?生き
るのでしょう?
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「もっと市民を大事にせんかい」と宝塚市役所放火犯はうそぶいた…税金督促に激高、逮捕後は黙秘の“身
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