http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130331/waf13033112000009-n1.htm
【大阪から世界を読む】
あの偽装大国・中国が欧州「馬肉混入ショック」を大々的に報じ続ける〝思惑〟
2013.3.31 12:00 産経新聞
馬肉の混入がないことを張り紙をしてアピール
する英国の精肉店
2013年2月
(ロイター)
欧州で牛肉加工食品に安価な馬肉
を混入する食品偽装が相次ぎ発覚、
欧州連合(EU)が緊急調査に
乗り出している。
安全面だけでなく、馬肉を食べる
習慣がない英国などでは、
食のタブーを犯す問題として消費者
に衝撃を与えているのだ。
日本でも加熱用の馬肉を生食の馬
刺し用と偽って販売する事件が発覚
し問題となった。
ただ、食文化や安全面への考え方
は各国さまざま。
犬料理を珍重する韓国やベトナム
などは欧州にとって、信じられない
国に違いない。
ところで、食の偽装大国・中国は、
他国の食をめぐる偽装問題を熱心に
報道しているという。
自国の偽装や不正を隠すため…?!
(木村成宏)
■ハンバーガー、パイ、ミート
ソースに馬肉混入
現地からの報道などによると、
馬肉の混入問題は今年1月、英大手
スーパーが販売する「牛肉100%」
冷凍バーガーに、最大で30%近い馬
肉が含まれていることが、アイルランド
での食品安全調査で発覚したのがきっか
け。
学校給食のパイやミートソースなどに
も馬肉が混ざっていたことも分かった。
その後、フランスやドイツ、オースト
ラリア、ノルウェーなどでも発覚。
日本でも知られるスウェーデンの家具
大手イケアも2月末、欧州5カ国で販売
しているウインナーソーセージに
「馬肉のDNAの兆候」
があったとして撤去を発表している。
馬肉は、ルーマニアの食肉処理工場
から、フランスの食品卸会社が輸入。
冷凍食品大手の下請け加工会社に納入
されたという。
馬肉混入の背景としては、2008年
の金融危機以降、経済的な理由で手放
される乗馬用の馬が増加。
こうした馬の肉を食用牛肉と偽って
加工、流通させたともみられている。
馬肉を食べることをタブー視する空気
が強い英国やアイルランドでは消費者に
ショックを与えているが、馬肉が一般に
流通しているフランスやオランダなど
でも、食用家畜への使用が禁じられた
薬品が含まれる疑いもわかり、安全面の
問題も指摘されている。
■「拷問された犬は精力がつく…」
犬食・韓国に欧州は…
人間は心理的に関係性が強い動物を食
べることに一般論として嫌悪感を持つが、
欧州の馬肉混入問題は、安全性の問題
だけでなく、食のタブーが国や地域に
よってさまざまであることも改めて感じ
させた。
英国などでは馬とならんで、人間の
パートナーとみられる犬だが、中国や
日本を含めて東アジア、東南アジアなど
農耕社会ではかつて犬を食用にする習慣
があった。
日本では江戸時代に武士階級で犬食が
禁じられ、5代将軍、徳川綱吉の
「生類憐れみ令」では、犬が特別に保護
されたことなどから、犬食の文化が衰退
した可能性が指摘されている。
しかし、
韓国では現在でも、犬肉は滋養強壮や
美容に良いとされ、夏場に犬料理を食べ
る習慣が残っている。
「拷問にかけた犬を食べると精力がつく」
という迷信もある。
犬食の習慣がない欧米などからの批判
は強く、1988年のソウル五輪などの
際には、取り締まりが行われ、犬料理店
は大通りからなくなったが、そのほかは
黙認。食肉専用に改良された犬が飼育
されている。
旧暦の月末に犬を食べると厄が落ちる、
との言い伝えがあるベトナムでも、犬食
が盛んだ。
その一方、経済発展に伴い、犬をペッ
トや番犬として飼う家庭が増えている。
首都、ハノイなどの市場では、解体
された食用の犬肉が並ぶかたわらで、
カゴに入れられたペット用の子犬が売ら
れる風景もみられるという。
番犬として飼われていた犬が盗まれて、
食用としてレストランに持ち込まれる
事件も相次いでいる。
このため、道路に面していない奥まっ
た場所に置いた犬小屋に“番犬”を厳重
にしまい込む飼い主もいる。
また、中国では新リーダーの習近平氏
の父、仲勲氏の出身地、陝西省などでは
犬食が盛ん。
しかし、ベトナム同様、中国国内でも
動物愛護の観点から風当たりが厳しい。
■食の偽装大国・中国の悪巧み
その中国。欧州での馬肉混入騒動が
発覚した当初、“食の偽装大国”中国は
熱心にその騒動を報道していたという。
米ブルームバーグなどによると、
欧州での馬肉混入問題の発覚後、
中国国営の中国中央電視台(CCTV)
は連日、最新の情報を放送した。
中国では2月初め、遼寧省で大量の
食品添加物を加えたカモ肉を、牛肉や
羊肉と偽装して販売、生産工場の関係
者らが拘束される事件が発覚している。
偽装肉には基準の約2千倍の有害
物質が含まれ、発がん性の恐れがある
物質も添加されていたが、CCTVは
欧州の馬肉混入問題を優先して伝えた。
中国国内で問題が起これば、
海外のほかの国での似た事例を紹介。
中国だけの問題でないことを国民に
知らせる狙いがあるとの指摘も紹介
している。
■生態系保護と多用な食文化の
「境目」
ガチョウやカモに大量のエサを与え
て肝臓を肥大させたフォアグラは、
動物保護団体からの「残酷」との批判
から、米カリフォルニア州で昨年7月、
レストランでの提供などが、禁止され
た。
中華料理の高級食材のフカヒレも、
サメの保護のため、香港の高級ホテル
などで提供を中止する動きが出ている。
日本については、調査捕鯨が批判の
的だ。かつて大阪の庶民の味だった
鯨肉を使ったハリハリ鍋は高級料理と
なり、日本の調査捕鯨船に対しては、
過激な環境保護団体から執拗
(しつよう)な妨害行為などが続けら
れている。
生態系の保護や種の保存は科学的な
根拠をもとに実施する必要であり、
動物虐待にも反対だが、多用な食の
文化の保護も必要だ。
そのためには、合理的で科学的な
食のルール作りと、それを守るマナー
が必要といえそうだ。
本当にそうだなー。とは、思いますが、
難しいでしょうね。
クジラを食べない国から見れば、
クジラを食べる日本人の食文化は、
不思議に見えるでしょう。
しかし、そんな国は、クジラから、
油を取るだけで、食べずに捨ててしま
っていたのですから、その方が、資源
の無駄と言うべきですね。
ともあれ、多様な食文化を残してほし
いのは、確か。
ルールやマナー、確立されると良い
ですね。
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あの偽装大国・中国が欧州「馬肉混入ショック」を大々的に報じ続ける〝思惑〟
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