http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130202/waf13020218000021-n1.htm
【衝撃事件の核心】
比ホステスVS徳島・石井町長のハチャメチャ法廷…
初の有罪?強制起訴裁判は究極の泥仕合
2013.2.2 18:00 産経新聞
暴行罪で強制起訴された石井町の河野俊明町長
の初公判。町長は一貫して起訴内容を否定した
平成24年9月28日、徳島地裁
(代表撮影)
スナックでホステスだった
フィリピン人女性の顔に拳(こぶし)
を押しつけたとして暴行罪で強制
起訴された徳島県石井町長の
河野俊明被告(68)の裁判は女性、
町長双方の側が非難合戦を繰り広げ
泥仕合の様相を呈している。
「殴られた」とする女性に対し、
町長は「でっち上げ」と無罪を主張。
酒場が現場のせいか、他のホステス
や客の証言も
「(事件を)見た」
「見てない」
などばらばらだ。
徳島地裁での判決公判
(求刑は罰金20万円)は8日に
予定され、有罪なら強制起訴で初の
ケースとなる。
ある意味歴史的な裁判なのだが、
意地と“怨念”が絡んだ展開はどこか
喜劇的。
初の有罪が宣告されるか、どうか。
(徳島支局 谷田智恒)
■芥川短編「藪の中」ばりの法廷劇
はたして暴行はあったのか、なかっ
たのか-。
昨年9月28日の初公判。
検察官役の指定弁護士が朗読した
起訴状によると、河野被告は平成21
年7月9日午後10時ごろ、徳島市の
フィリピンスナック「サンパギータ」
で、ホステスだったフィリピン人女性
の右顔面に左拳を押しつける暴行を
加えたとされる。
冒頭陳述で指定弁護士は
「河野被告は、ご執心の中国人ホステ
スに対しフィリピン人女性が接客態度
を改めるよう注意したことを知り、
目つき厳しく不機嫌な様子で来店。
女性に『お前、ノリ過ぎ!』と言い
ながら暴行した」と指摘した。
これに対し、河野被告は
「でっち上げの事件だ」
と起訴内容を否認。
弁護側は
「河野被告は中国人ホステスやオーナ
ー男性に誘われ店へ行き、入店後に
見かけたフィリピン人女性を呼び、
『従業員を大事にしろよ』などと声を
かけただけ」と説明し、
「女性の供述は不自然であり、供述を
変遷させていて信用できない。本件は
不当起訴であり、被告人は無罪だ」
と主張した。
■酒場ならでは? ばらばらの証言
その後10月中に3回に分けて
証人尋問が行われ、被害女性や店の
経営者らフィリピン人女性3人、
当時居合わせた男性客4人、ホステ
スだった中国人女性、オーナー男性
の計9人が出廷。
被害にあったとされる女性は
「河野町長に殴られた。痛くて悔し
くて、その日は眠れなかった」
と語り、残る女性2人も
「町長が殴ったのを見た」
と証言した。
客4人は農業と建設業、阿南市議、
税務署員の男性で、農業の男性は
「町長の手が女性の顔に当たったの
を見た」としたが、
「女性が主張する握り拳ではなく、
指を丸めこんだような平手だった」
と証言。
税務署員は
「殴る場面を見ていない」
としながらも
「女性経営者と被害女性から
『町長が暴行した』という話を聞
いた」。
建設業の男性は
「ワシは見ていない人」
と述べ、阿南市議は
「覚えていない」と話した。
また、河野被告と親しかったと
される中国人女性は
「被害女性が町長と少し向き合っ
ていたが、殴っていない」、
店のオーナー男性は
「現場は見ていないが、暴行の件
は翌日ママから聞いた」
と証言した。
場所柄、多少なりとも酒が入っ
た状態での目撃証言とみられるが、
その内容は見事にばらばらだ。
■町長
「朝日新聞の配達も手伝う」
河野被告は堺市生まれで、
昭和38年に徳島県立名西高校を
卒業後、四国コカ・コーラボトリン
グに9年間勤務した。
その後、エクステリア工事
(外構工事)会社を設立、53年
から平成18年まで社長を務めた。
19年4月の町長選に初出馬し、
現職町長ら2人を抑えて初当選、
23年4月の町長選で再選された。
妻は朝日新聞販売所を経営して
おり、河野被告は会見や裁判での
証言で
「毎朝4時から新聞配達を手伝い、
町政発展に全力投球してきた」
と実績を強調。
「利権とか、癒着、暴力団という
のは石井町に全然ない。県内で
一番入札もきれい」
とアピールした。
11月2日の被告人質問では、
「店に入ったら当時“チーママ”
だったフィリピン人女性と目が
あったから、あいさつ程度で手招
きをして呼んだ。そして近づいて
きた女性と向き会い、
『ママやったら従業員を大事にせ
えよな~』と何気なく親しみを込
めて言った」と証言。
指定弁護士から指摘された
「お前、ノリ過ぎ!」
という言葉は
「意味がわからず、珍しい言葉。
使った記憶はない」
と話し、手の動きは
「両手は下に下げた状態で、手
を上にあげるしぐさもしていない。
指一本触れていない」
と潔白を主張した。
また事件については
「進める町政改革に不満を抱く
一部の連中が私を失墜させるため
に仕組んだ」
と“陰謀説”を唱えた。
■大山鳴動して…
12月の論告求刑公判で指定
弁護士は被告に対し罰金20万円
を求刑。
「被害者や目撃者の証言は自然で
合理的。暴行の事実は優に認めら
れる」とし、
「(従業員や客の目撃証言の)
内容は具体的で信用性が高い。
計画的な犯行で、暴行の事実は
ないと公言し、反省も認められず
悪質」と述べた。
一方、弁護側は
「暴行の事実はなかった」
として改めて無罪を主張。
「被害者証言には不合理な変遷が
あり、信用できない。暴行の事実
は作り上げられたもの」と指摘し、
河野被告も最終陳述で
「町民に顔向けできないような
行為は一切していない」
と述べた。
現職町長がホステスへの暴行を
問われた前代未聞の裁判。
罰金20万円の求刑は
「大山鳴動して…」
の感も否めないが、注目の判決は
2月8日に言い渡される。
◇
これまで検察審査会の議決に基
づく強制起訴は7件あり、裁判で
は政治資金規正法違反罪に問われ
た元民主党代表で「生活の党」
代表の小沢一郎氏が一、二審とも
無罪(確定)、他の一件も一審
判決が無罪となっている。
2月20日には、
兵庫・明石歩道橋事故での明石署
元副署長の判決が神戸地裁で言い
渡され、その後はJR福知山線
脱線事故でのJR西歴代3社長の
判決も予定されるが、石井町長の
判決はそれより早く、有罪だと
強制起訴裁判では初のケースと
なる。
まあ、町長としては、恥ずかしい
事件ですね。
それが、裁判沙汰まで、行ったの
ですから、恥の上塗りです。
で、結果が、罰金刑だったとは。
次の選挙は、厳しいでしょうね。
とは、言っても、対抗馬が弱けれ
ば、再選もあるでしょうけど。
↧
比ホステスVS徳島・石井町長のハチャメチャ法廷…初の有罪?強制起訴裁判は究極の泥仕合。
↧