http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130120/waf13012018000008-n1.htm
【衝撃事件の核心】
生活保護不正だらけ大阪の〝異常〟
反省の法廷で語られる〝墜落人生〟
2013.1.20 18:00 産経新聞
空前の“不正受給裁判ラッシュ”だ
った。
大阪地裁で今月、15日からわずか
4日間で、生活保護をめぐる詐欺事件
が初公判だけで4件も相次いだ。
法廷では、刑務所時代の知人になり
すまして申請したり、ヤミ金の借金
返済のために不正受給に手を染めたり
と、さまざまな手口や動機が明らかに
。
こうした状況を受け、厚生労働省は、
不正受給に対する罰則強化などを盛り
込んだ生活保護制度の見直し案をとり
まとめた。
近く出される最終報告書を基に関連
法案が国会に提出される見込みだが、
不正防止に向けた実効性のある対策が
求められている。
■“刑務所仲間”の名前で
15日の大阪地裁603号法廷。
他人になりすまして生活保護費を
不正に受け取ったとして詐欺などの罪
に問われた無職男(65)の初公判が
開かれた。
起訴状によると、次のような手口で
生活保護費をだまし取ったとされる。
まず平成22年6月10日、
大阪市西成区の市立更生相談所で、
生活保護を受け取るための申請書の
氏名欄に知人男性の名前を記入し、
この男性の姓の印鑑を押印。
こうして偽造した申請書を提出し、
同年7月1日に33万円を不正受給
した。
さらに同月2日、同市城東区でも
この男性の名前で生活保護の開始を
申し込み、同月末から24年7月
31日までの2年間で25回にわたり、
計315万円を詐取したとされる。
男は初公判の罪状認否で
「間違いございません。その通りです」
と起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、
なりすましに利用された男性は、
かつて男が別の事件で服役中に知り合
った「刑務所仲間」。
2人は刑務所の同じ部屋だったこと
から親しくなり、出所後も互いに連絡
を取り合う仲だったという。
事件当時、男は妻や子供と別居し、
建設会社でアルバイトをしながら知人
女性と同居していた。
すでに大阪府枚方市から生活保護を
受給していたが、やがて妻ら家族と、
同居女性との二重生活の生活費を賄え
なくなった。
切羽詰まった結果、かつての刑務所
仲間の名前を悪用し、生活保護の二重
取りに及んだ-というのが、事件の
顛末(てんまつ)だ。
■マスク着用、
布団に隠れる念の入れよう
同じようになりすましで生活保護費
を不正受給したとされ、今月18日に
初公判が開かれた無職の女(61)と、
同じく無職の男(61)の手口は身分
や氏名だけではなく、外見までも他人
を装っていた。
起訴状などによると、女の元内縁の
夫が大阪市から生活保護費を受給して
いたが、無職男がこの元内縁の夫に
なりすまし。男は19年4月~21年
9月の8回にわたり、同市内のクリニ
ックで診察を受けて薬などをもらった
が、本来は計10万円を支払わないと
いけないのに、生活保護受給者だとし
て支払いを免れたとされる。
不正受給のきっかけは、元内縁の夫
が18年1月に逮捕されたことがきっ
かけだった。
女も生活保護受給者だったが、
元内縁の夫が逮捕によって不在になる
と、その分の生活保護費が減ってしま
う、とでも考えたのだろうか。
女は元内縁の夫が不在になったこと
を市に知らせず、逮捕後に新たに内縁
関係となった無職男がなりすますこと
になった。
捜査関係者によると、市のケース
ワーカーとの面談時には男が布団を
かぶったり、マスクで顔を隠すなど
して元内縁の夫を演じていたという。
■国民全員が事件の被害者
厚生労働省によると、不正受給の
手口として最も多いのは
「収入の無申告」だ。
トラック運転手の収入を隠して不正
受給していたとして、詐欺罪に問われ
たのが派遣社員の男(56)。
起訴状によると、21年10月~
22年12月の16回にわたり、
大阪市から計約200万円を詐取した
とされる。
今月16日に開かれた初公判では、
検察側が冒頭陳述で不正受給に至った
経緯を述べた。
大学卒業後、居酒屋やエステ店など
を経営していたが、11年に未成年者
に酒を飲ませたとして摘発されてから
人生が暗転。
店の経営に行き詰まって消費者金融
やヤミ金融から借金を重ねるように
なり、事件時の債務総額は約2800
万円に膨れ上がった。
20年8月~23年4月は運送会社
に勤務し、トラック運転手として
約20万円の月収を得ていた。
しかし、借金はなかなか減らず、
ヤミ金の男から
「金を返せなければ生活保護で返済し
ろ」
と迫られ、不正受給に手を染めること
に。だが、受け取った保護費はすべて
男に渡していたといい、23年末、
とうとう自己破産となった。
男は被告人質問で
「まじめに働いた人たちが納めた税金
をだまし取り、国民全員が事件の被害
者。私の考えの甘さから犯行に及んで
しまった。責任は自分にある」
と声を震わせて釈明。
さらに、
「ヤミ金の男から脅され、最初は断っ
ていたが何をされるか分からず、
男の指示通りに嘘の申請をした」
とうなだれた。
大阪地裁ではほかにも、鉄工所での
収入があることを隠し、298万円の
生活保護費を大阪府東大阪市からだ
まし取ったとされる男(69)の
初公判も開かれた。
わずか4日間という短い期間に、
初公判だけで4件の不正受給事件が
審理されるという事態だった。
■罰則強化、制裁金も
生活保護の不正受給件数と金額は
年々増加傾向にある。
厚労省によると、18年度は約1万
4700件(90億円)、19年度に
約1万6000件(92億円)だった
のが20年度で約1万8600件で
106億円に達した。
21年度は約1万9700件
(102億円)、22年度で約2万
5400件(129億円)と過去最多
を記録した。
もう一つの問題は、不正受給された
保護費の返還。
22年度の不正受給額129億円に
対し、22年度までに自治体が不正
受給者に対して出した返還命令に基
づき、同年度中に徴収できた保護費は
37億円にとどまる。
厚労省の担当者は
「受給者は低所得で一括返還できない
ケースが多い。分割で徴収するなどの
工夫をしているが、どうしても時間が
かかる」と話す。
こうした状況を受け、
厚労省社会保障審議会の特別部会は
今月16日、不正受給に対する罰則
強化や制裁金の導入などを盛り込んだ
報告書案をまとめた。
報告書案では、生活保護法で定めら
れた
「3年以下の懲役または30万円以下
の罰金」
から罰則を引き上げる方針を提示。
不正受給者に対する制裁金として、
返還対象額に自治体が一定割合の金額
を上乗せして請求できるように見直す
ことも提言している。
制裁金は、保護費を返還した不正
受給者が刑事告発されなければ、実質
的に“おとがめなし”という事態に
批判が集まっていたことから盛り込ま
れた。
報告書案では、就労支援の強化策と
して、一般企業などでの就労が難しい
受給者に簡易作業などをさせて自立を
促す「中間的就労」を取り入れる方針
も示された。
同審議会は今月中に最終報告書を
とりまとめる見通しで、厚労省は関連
法案を今年の通常国会に提出したい
考えだ。
同省担当者は
「不正受給の根絶に特効薬はない。
自立を促す就労支援と罰則強化の二本
立てで、地道に取り組んでいくしか
ない」と話している。
もっと罰則を重くするべきでしょう。
死刑でも良い様に思います。
もっともそうすると、お金が返って
来ませんから、強制労働をさせて、
返済させるのも良いかも?
不正受給者の臓器を売るのも良いか
も?
そう言う風に法改正出来ないもので
すかね?
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生活保護不正だらけ大阪の〝異常〟 反省の法廷で語られる〝墜落人生〟
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