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【衝撃事件の核心】
残酷すぎる姉妹の運命
尼崎事件「瑠衣」と「茉莉子」が幸せだった日々
2012.12.9 18:00 産経新聞
幼かった頃の仲島茉莉子さん(右)と
角田瑠衣容疑者の姉妹。
幸せな日々だった
昭和61年撮影
(親族提供)
「残された瑠衣はこれからどうなる
のか」。
兵庫県尼崎市の連続変死・行方
不明事件で、同市梶ケ島の皆吉ノリ
さん(88)の遺体が、高松市
東植田町で見つかった。
角田(すみだ)美代子容疑者
(64)の周辺で発見された6人目
の遺体。
発見現場の隣接地にある住宅には
かつて、皆吉さんの長女(死亡)
夫妻と孫娘2人が住んでいた。
孫娘2人は、
犠牲になった仲島茉莉子さん(29)
と、一連の事件で逮捕されている
角田瑠衣容疑者(27)の姉妹。
冒頭の言葉は、親族の男性が漏ら
した悲痛な思いだ。
「理想の家族」(近隣住民)と羨
(うらや)まれた家族は、美代子
容疑者らの暴力による支配で離散に
追い込まれ、姉妹が被害者と容疑者
に別れる残酷な運命をたどった。
(藤谷茂樹)
■幸せな写真…
「姉妹の母親が写真が好きでね。
それで、これだけの量になったのだ
ろう」
親族の男性(70)は、幼い姉妹
の写真に目を細めた。
節分にクリスマス、保育園の
お遊戯会…。
男性の元には、皆吉さんがかつて
住んでいた民家床下から遺体で見つ
かった長女の茉莉子さんと、
次女の瑠衣容疑者の成長を記録した
アルバムが十数冊も保管されていた。
一家離散後、男性が家財道具を
整理した際に見つけたものだ。
「両親をパパ、ママと呼んでハイカ
ラな感じで、うらやましかった」
「娘2人がピアノを弾くかたわらで
お母さんがお茶を飲む。優雅な家庭
でした」。
近隣住民は口をそろえ、一家を
「理想の家族」と評した。
保険代理店を営んだ父親は小学校
のPTA活動にも熱心で、地元では
市議に推す声もあがるほどだった。
母親は几帳面でおしゃれ。夫婦で
参加した地域の催しでは、カラオケ
で流行歌を歌い、盛り上げたと
いう。
父親が
「親に似ずに、ええ子ができた」
と周囲に自慢したように、ピアノが
得意でおとなしい性格だった茉莉子
さんは英国に語学留学し、
活発で運動好きだった瑠衣容疑者は
県内有数の進学校で学んだ。
茉莉子さんの同級生の母親(54)
は
「茉莉子さんと瑠衣さんはいつも
一緒だった。2人と遊んでいた娘は
『妹を産んで』とせがんだほどです」
と、姉妹の仲の良さを懐かしんだ。
■暗転した運命
満開の桜を背景に笑顔でVサイン
-。
少女時代の茉莉子さんと瑠衣容疑
者の姿を記録した写真には
「2001(平成13)年4月8日」
の日付が刻まれている。
その2年後の15年2月ごろ、
美代子容疑者らが義理のいとこ、
李正則容疑者(38)の更生をめぐ
って集団で高松の住宅に居座り、
一家は大きな渦にのみ込まれるよう
に事件に巻き込まれていった。
親族や知人らによると、
集団は暴力を繰り返し、父親や親族
は資産をむしり取られた。
家族間で暴力を強要され、
瑠衣容疑者は「お父さんごめんね」
と泣きながら父親を殴った。
「美代子容疑者に洗脳されていた」
と親族は振り返る。
父親だけでなく、母親も美代子
容疑者らから受けた暴力の支配に
より、知人を頼って借金に駆け回っ
ていた。
「プライドが高いから、その鼻を
へし折らなあかん。金を借りてこい」
。
母親は美代子容疑者にこう恫喝
(どうかつ)され、知人宅に駆け込
んだという。
母親は皆吉さんの長女にあたる。
15年8月、美代子容疑者らから
逃れ、一時和歌山県内に身を潜めた。
しかし19年に連れ戻され、21
年に病死したとされる。
■父親の無念
一家4人が暮らした住宅は今、
競売で人手に渡り、別の家族が暮ら
している。
親族の男性は競売前、最後にこの
家に入った際のことをよく覚えて
いる。
姉妹が弾くピアノの音色が響いて
いた家からピアノがなくなり、
庭には焦げたり泥の付いたりした
楽譜本が捨てられていた。
「茉莉子ちゃんはあんなに練習して
いたのに」
と寂しさがこみ上げたという。
「自分がいるから被害が広がる。
自分が消えれば集団も高松からいな
くなるのではないか」
夫婦げんかを装い、美代子容疑者
らが居座る自宅から母親を逃がした
一家の父親は15年秋、自らも知人
らの協力で姿を消した。
数カ月後に高松に戻ると、姉妹が
連れ去れたことがわかり、尼崎市で
偽名で生活しながら姉妹を取り戻す
機会をうかがっていたという。
母親の実家にあたる尼崎市の民家
床下から茉莉子さんら3人の遺体が
見つかった直後、父親は、連絡を入
れた知人に
「自分は家族を守ってやれなかった。
自分が悪いんや」
と悔やんだという。
そして
「瑠衣は一生、十字架を背負って生
きることになる。それを思うとたま
らない」とも。
父親は、
瑠衣容疑者に初孫にあたる幼い子供
2人がいることを捜査員から知ら
された。
「いつか(瑠衣容疑者の)目が覚め
たら、一緒に暮らしたい」。
父親は、そう願っているという。
■姉妹の家のそばで
姉妹が育った高松市郊外の静かな
町が、喧噪(けんそう)に包まれた
のは12月1日の朝だった。
小高い丘に建つ農機具小屋に
兵庫県警の捜査車両が次々に横付け
された。
ヘリコプター数機が上空を旋回し、
周辺住民らは規制線の外から遺体
捜索を不安げに見守った。
李容疑者の供述に基づいて始まっ
た捜索は3日間にわたり、小屋下の
掘削の末、皆吉さんの遺体が発見さ
れた。
尼崎市の美代子容疑者の自宅マン
ションで暴行を受けた後に衰弱死し、
この小屋まで運ばれたとみられて
いる。
「ノリさんが埋められていると聞い
て、まさかと思った。でも遺体が
見つかりほっとした。これでノリ
さんも浮かばれる」。
捜索に立ち会った姉妹の親族の
男性は、そう言って安堵(あんど)
の表情をみせた。
男性は、冠婚葬祭で高松を訪れ
た皆吉さんと何度か顔を合わせて
いた。
3日夕、皆吉さんの遺体を運ぶ
兵庫県警の車両は、姉妹が暮らし
た住宅のすぐ脇を通って、走り去
った。
運命って、皮肉なものですね。
仲良し姉妹が、方や自らを通して
殺害され、方や洗脳される事に
よって、犯罪者となったのです
から。
今は、マインドコントロールも
抜けて来たようですが、今後、
悔恨の情が、一気に噴き出す時が
来るのかも?知れません。
死刑にならず、生き残ったとして
も、今後の人生は、屍に近い状態
になるのかも?知れません。
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【衝撃事件の核心】 残酷すぎる姉妹の運命。尼崎事件「瑠衣」と「茉莉子」が幸せだった日々。
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