http://sankei.jp.msn.com/world/news/121118/chn12111803180000-n1.htm
【土・日曜日に書く】
上海支局長・河崎真澄
歴史繰り返す中国の独断論
2012.11.18 03:18 産経新聞
「あのとき暴徒化したデモ隊が
なぜ、青島や蘇州などでパナソ
ニックの工場を襲撃したか知っ
ていますか?」。
ある中国人研究者はこう言っ
て記者の反応をみた。
日本政府の沖縄県・尖閣諸島
国有化に抗議した反日デモが
中国各地で吹き荒れてから2カ
月。
多数の日系企業が被害を受け
たが、満州事変の発端となった
柳条湖事件から81年を迎えた
9月18日に少なくとも125
都市で起きたデモを境に“嵐”
はぴたりと止んだ。
デモの組織も抑制も、
中国当局による何らかの指示が
あったとみるのが自然だろう。
ただ、それならばなおのこと、
中国が改革開放にカジを切った
ばかりの1978年、副首相だ
ったトウ小平氏からの要請で、
中国への進出と技術供与をいち
早く決断した故松下幸之助氏が
創業者のパナソニックに対する
破壊行為は、理解しがたい。
ただ、研究者は
「釣魚島(尖閣諸島の中国名)
問題で強硬姿勢をとる野田佳彦
首相や前原誠司・国家戦略担当
相は
(幸之助氏が79年に創設した)
松下政経塾の出身者だ。暴徒に
パナソニックを襲撃させて野田
首相を攻撃する。これが共産党
の手法だ」と解説した。
◆経済合理性よりも政治
しかし、
同社以外にも日系自動車販売店
や大手スーパー店舗、日本料理
店などもデモの餌食にされたが、
必ずしも民主党政権とは関係
ない。
パナソニック工場の襲撃は
偶発的だったのではないか。
そういぶかると、研究者は
偶発性は認めながらも、
「比較的、親日的で日系企業と
地元の関係が良好だった青島で、
住民に人気だったイオングルー
プの店舗まで甚大な被害に
あったのはなぜか。やはり、
民主党政権の岡田克也副総理が
イオン創業家の出身であること
に関係が深い」と畳みかけた。
民主党政権への攻撃をどこ
まで計算した反日デモだったの
か確かめる術(すべ)はないが、
暴徒襲撃など想定外だった日系
企業を襲い、それによって日本
に対する政治圧力を加えようと
した可能性は排除できない。
雇用や輸出など日系企業の
貢献度など経済合理性より、
政治問題が優先される異質な国
であることを改めて認識させら
れた。
◆「弟として礼を尽くさぬ」
反日デモに前後し、中国外務
省の洪磊報道官らは連日、
日本政府による尖閣国有化が
「中国人民の感情を著しく傷つ
け、激しい怒りを招いた」
などと発言。
暴徒化による襲撃被害も含め、
「すべての責任は日本が負うべ
きだ」
と一方的に日本を非難した。
にわかには理解しがたい責任
論を中国はことあるごとに持ち
出すが、愛知大学の樋泉克夫
教授は、
「その思考方法は戦前からあっ
た」と話す。
樋泉教授の研究によると、
1938年出版の
「支那事変 戦跡の栞(しおり
)」
(陸軍恤兵(じゅっぺい)部編)
に収録された中国民族研究家、
中野江漢(こうかん)
(1889~1950年)
の洞察「支那の話」に、すでに
登場する。
中野は、
「どうして日支(日本と中国)
は疎遠したか」と語りかけ、
「然らば『日支依存』や『共栄
共存』は、果たして実現されて
いるかどうかというに、日支親善
の実はなんにもなっておらぬので
ある」と断言。
「(中国側が)日支不親善の責を
みな日本に帰している」
と指摘していたという。
70年以上も前の中野の目に映
った中国人の思考は
(1)日本は忘恩国で弟としての
礼を尽くさぬ
(2)日本は支那に対して侵略的
である
(3)日本の対支政策は一定せず
当てにならぬ
(4)日本は欧米依存である-
だった。
さらに、反日意識の背景として
(1)日本への嫉妬心と猜疑
(さいぎ)心
(2)以夷制夷(いいせいい)
(第三国を利用して他国を抑
える)政策
(3)国内統一のため排日を扇動
する-と指摘した。
これについて樋泉教授は
「現在の中国の対日姿勢に恐ろし
いほど重なる」とみる。
日清戦争(1894~95年)、
1937年に始まった日中戦争と、
その後の不幸な戦争の歴史で固定
化された対日観念がいまも
“遺伝子”に潜む。
中野の洞察力を借りれば、
「すべての責任は日本にある」
との独断論は、日本が
「弟として礼を尽くさぬ」
と考える大国主義や中華思想に基
づくものではないか。
◆習近平体制でも同じ懸念
中国は共産党大会を経て10年
ぶりに最高指導部が交代。
15日に開かれた第18期中央
委員会第1回総会(1中総会)で
習近平総書記の新体制が発足した。
しかし、尖閣を「領土紛争」と
して日本政府に問題の存在を認め
させようとコブシは振り上げた
まま。
対日姿勢に何ら軟化や好転の
兆候はない。
仮に総選挙を経て日本で政権が
交代しても、中国は「礼を尽くせ」
と戦前からの独断論をふりかざし、
“次のパナソニック”を狙って、
政治的な揺さぶりをかけてくるの
は必至だろう。
いかに中国経済に尽くそうとも、
約2万社の日系企業と13万人の
在留邦人に対する日本側の危機
管理は怠れまい。
(かわさき ますみ)
中国は、常に正しく、被害者で
ある。
日本は、常に間違っていて、
悪である。
何世紀を経ようが、その図式は、
変わりません。
その溝が、埋まる事は、永遠に
有りません。
それは、儒教思想が、根幹に
有る限り、変わる事はありませ
ん。
日本では、過去、悪とされた
人物であれ、後世で、検証され
見直される事も有りますが、
儒教社会では、1度、悪とされ
れば、何世紀経ようが、見方が
変わる事が、無いのと同じです。
忘恩の国とは、中国の事です。
現在の軍事力は、日本からの
ODAのお金によって整えられた
のですから。
日本は、お人好しですから、
日本人の稼いだお金を貢いで、
日本を狙う軍事力を整えさせ
た訳です。
これは、自民党の責任です。
これからも嫌がらせは、続く
でしょう。
日本企業もお人好しですから、
中国に貢ぎ続けるのでしょう
ね。
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【土・日曜日に書く】 上海支局長・河崎真澄 歴史繰り返す中国の独断論。
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