http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140915/frn1409151140001-n1.htm
【世界読解 湯浅博】
日印、似たもの「遠交近攻」で深まる中国の焦燥感
2014.09.15 zakzak
来日したインドのモディ首相の外交手法は、
どこかの国の外交に似た
「アジア太平洋を俯(ふ)瞰(かん)する外交」
ではないかと思えてくる。
この9月、京都からスタートしたモディ首相
の訪日は、それに続き豪州、ベトナム、そして
米国へ太平洋をぐるりとめぐる精力的なもので
ある。
ご存じ
「地球儀を俯瞰する外交」を実践するのは、
安倍晋三首相である。安倍外交は地球をぐるり
と回って表向き経済を後押しするようにみえて、
カードの裏で「遠交近攻」外交を展開している。
近くの国と衝突が起こらないよう抑止力を高め、
遠い国と手を結んでイザというときに備える。
モディ首相は表向き「非同盟」の雄である
から、自らの親日ぶりを極力抑えつつ、中国を
意識して発言は慎重に運んでいた。
日本が早期実施を求めた外務・防衛閣僚協議
(2プラス2)に対しても、共同文書は
「対話を強化する方法を検討」とするにとどめ
ている。
民族派を代表するモディ氏であっても、中国
がインド経済に与える影響は軽視できないよう
だ。
日印が準同盟のようにとらえられることを避
けつつ、連携強化の
「特別な戦略的パートナーシップ」であると
共同声明に織り込んだ。
モディ氏は帰国すると、さっそくニューデリ
ーでオーストラリアのアボット首相を迎え、
11月には今度はモディ氏がキャンベラを訪問
する予定で、来年には初の海軍合同演習も計画
している。
安倍首相はすでに、7月にキャンベラを訪問
して両国が「特別な関係」にあることを確認し、
こちらは準同盟国のようだった。
中国が歴史問題で日本を批判している点に
ついても、アボット首相は中国の歴史カードに
よる対日批判に
「70年前ではなく、現在の日本の行動で公平
に判断すべきだ」と反撃していた。
モディ首相もまた東京都内の演説で、中国を
念頭に
「18世紀にあったような拡張主義が見られる」
と示唆しながら、
「ある国が他国を侵略している。海を侵害し別
の国を占領しているところもある」
と中国に警告を発していた。
その中国の習近平国家主席は間もなく訪印
するが、
「あまり心地よい訪問にはならないだろう」と
英誌エコノミストは予想する。
確かに、モディ氏は首相就任式には、チベッ
ト亡命政府のロブサン・センゲ首相を招いて
いるし、習主席の訪印とほぼ同時期に、インド
のムカジー大統領がベトナムを訪問する予定だ
。
かつて、同じ民族派のバジパイ政権が、中国
要人のインド滞在中に何食わぬ顔でミサイル
発射実験したのを彷(ほう)彿(ふつ)とさせ
る。
ベトナムはロシア製キロ級潜水艦の供与を受
け、同じキロ級をもつインド海軍から操艦訓練
を受けている。
中越が領有権を争う海域の油田では、インド
の国営石油企業がベトナムから採掘権を更新し
ている。
モディ氏は今月、米国も訪れ、国民会議派の
シン政権下で冷却した米印関係を修復する構え
だ。
これにより、日米豪印がひし形で結ばれ、
安倍首相が第2次政権の発足時に英文で発表し
た「安全保障ダイヤモンド構想」が形成される
。
これに海洋アジアのベトナム、フィリピン、
マレーシア、インドネシアなどが提携する可能
性があり、アジア太平洋経済協力会議(APE
C)首脳会議を迎える中国の焦燥感は深い。
(東京特派員)
中国包囲網を作るのは、良い事です。
日本以上に、インドは、そう、感じてるはず
です。
何せ、中国は、着々とインドを軍事的施設で
包囲し初めてますから。
インドの選択肢としては、中国と接近するか?
複数の国と中国を取り巻く様に準軍事同盟を
結ぶか?の2者択一でしょう。
独立して、戦うのは、難しいでしょうから。
またそうした同盟を結んで行けば、経済の
交流も太いものとなるでしょう。
↧
日印、似たもの「遠交近攻」で深まる中国の焦燥感。
↧