http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140228/crm14022822160014-n1.htm
【衝撃事件の核心】
「なんで早く飛び降りないの?」そして元交際相手は自殺…
慶大生がLINEで送ったメッセージの「暴力性」
2014.3.1 12:00 産経新聞
「言葉の暴力」で女子大生が自ら命を絶つのを後押しした
のであれば、許されることではない。
元交際相手の女子大生(21)に「死んでくれ」とメッ
セージを送り、約10時間後に自殺させたとして、
慶応大学3年の男子学生(21)が2月19日、自殺教唆
容疑で警視庁に逮捕された(その後釈放)。
男子学生は女子大生が精神的な病を抱えているのを知り
ながらメッセージを送ったとみられ、警視庁幹部は
「瀕死(ひんし)のけが人に暴行を加えるのと同じ。まさ
に死のメッセージだ」と憤る。
インターネット空間での「言葉」の応酬が刑事罰に問わ
れた異例の捜査の内幕とは…。
(中村翔樹、宇都宮想)
■「自殺させられた」…匿名の電話で発覚
ツイッターやラインに痕跡
「女子大生は自殺させられた」
警視庁三田署に男性の声でこんな匿名の電話があったの
は、昨年11月11日。同署は2日前の9日午前5時ごろ、
港区芝のマンション8階からこの部屋に住む女子大生が
転落死した事案について、詳しい経緯を捜査していた。
室内に「親孝行できずにごめんなさい」と両親に宛てた
遺書が残されていたほか、転落直前まで一緒にいた知人
女性の説明にも矛盾がないことなどから、事件性はなく、
飛び降り自殺と判断しようか、というところだった。
男性は電話越しに、女子大生が短文投稿サイト
「ツイッター」で、元交際相手の男子学生から自殺を促さ
れたことを示唆する書き込みをしていたと訴えてきた。
実際、自殺前日の8日に女子大生が
「(男子学生が)確実に死ぬ『飛び降り』を推奨してきた」
と書き込んでいるのが見つかり、さらに、無料通信アプリ
「LINE(ライン)」で、男子学生と女子大生との
「最後の会話」の痕跡も確認された。
男子学生は8日午後6時40分すぎから
「もうお前つまんないしお願いだから死んでくれ」
「生きてる価値ないよ!」などと立て続けに投稿。
女子大生はその間、一度だけ
「なんでそんなひどいこというの…」と返しただけだっ
た。
男子学生からの最後のメッセージは
「なんで早く飛び降りないの?」。
女子大生がマンションから飛び降り自殺を図ったのは、
それから約10時間後だった。
■「8階から飛び降りれば」…具体的な方法を提示
別れ話でトラブルか
女子大生は男子学生のメッセージを受け取った直後、
友人らに「もう死んじゃう」などとメールを送っており、
三田署は男子学生のメッセージが自殺の直接的な引き金に
なったと判断。
メッセージで「8階から飛び降りれば死ねるじゃん」と
具体的な方法を示していたことも悪質性が高いとみなされ
た。
男子学生は2月19日に自殺教唆容疑で逮捕されたが、
東京地検に送検後の同22日、証拠隠滅や逃亡の恐れが
ないとして釈放された。
「メッセージを送ったことは間違いありません」
と容疑を認めているが、実際に女子大生が自殺すると認識
していたのかどうかは不明で、三田署は任意で捜査を続け
る。
捜査関係者によると、
男子学生は新潟県出身で、県内屈指の進学校から慶応大
法学部政治学科に進んだ。
明るい性格で、人付き合いが良かった。
同じ学部の女子大生とは約1年前から交際していたが、
必ずしも順調ではなかったようだ。
女子大生は事件前からたびたび自殺願望をほのめかし、
ツイッター上に自らの手首を切る「リストカット」とみら
れる画像や大量の向精神薬の画像を投稿するなど、精神的
に不安定だったとみられる。
男子学生が女子大生のツイッターに投稿したとみられる
メッセージには
「彼女からネクタイをもらった。うれしい」
といった他愛のないもののほか、
「連続リストカット記録も何とか3日で止まってうれしい
です」
「完全に安定期になって初詣とか誘われた」などとあり、
精神状態に気をもんでいた様子が見え隠れする。
女子大生は自殺する2日前の昨年11月7日早朝、男子
学生にLINEで「他に好きな人ができたの?」と送信。
同じ日の昼前にはツイッターで、
「新しい交際相手ができた」というメッセージを残してい
た。
三田署は男子学生が女子大生との別れ話をめぐってトラ
ブルになり、自殺をけしかけた可能性もあるとみている。
■ネットいじめ…女子高生や県議も自殺
異例の教唆罪での立件
男子学生の逮捕容疑となった自殺教唆罪は、自殺する
意志がない人に毒物や首つり用のロープを渡すなどして
自殺をそそのかし、相手が自殺した場合に成立する。
今回のように、ネット空間でのメッセージのやりとりが
問題視されて立件されるのは異例のことだ。
もともと自殺願望がある人を自殺させた場合は、自殺
幇助(ほうじょ)罪に当たるため、起訴段階で罪名が切り
替わることも考えられる。
捜査関係者は
「いずれにしても、『言葉の暴力』が人を死に至らしめる
ことがあるという現実を若い世代などに知らしめたかった」
と打ち明ける。
ネット上では「死ね」「殺す」などという言葉が氾濫し
ており、特定の人物への誹謗中傷は「ネットいじめ」など
と呼ばれて社会問題化し、過去には自殺者が出たケースも
ある。
北九州市で平成20年5月に自宅で首つり自殺した高校
1年の女子生徒=当時(16)=は
「何度も『死ね』と書かれた。生きる意味が分からなくな
った」という遺書を残しており、女子生徒のブログには
「早く死ね」などと書き込まれていたことが分かった。
昨年6月には、岩手県議の男性=当時(56)=が病院
の受け付けでの対応をブログで批判し、これに反発する
投稿が多数寄せられた後に自殺した。
北九州市の場合は女子生徒が名指しされておらず、岩手
県議への投稿は大半が匿名だったことなどから、刑事事件
としての立件には至っていない。
ネットワーク犯罪に詳しい甲南大学法科大学院の園田寿
教授(刑法・刑事法)は
「LINEなどネット上でのやりとりは、言葉がより強い
意味を持って伝わり、受け手が思った以上に精神的なダメ
ージを受けることがある」と指摘。
「『死ね』などという言葉も、面と向かって言えば冗談の
ように聞こえることもあるが、ネット上では字面のままの
意味で残る。使い方には細心の注意が必要だ」
と警鐘を鳴らしている。
メッセージで、人を自殺に追い込めるのか?不思議に思っ
てた事件でしたが、成るほど、元々、自殺願望を持つ人物
相手なら、確かに可能ですね。
特に彼氏、彼女の仲だったのなら、そのタイミングも良く
判ってるでしょう。
一つ疑問が解けたのは、良かったです。
事件の記事では、彼女の方が、別れ話を伝え、その後、
復縁?したのか?彼の言葉によって、自殺した。と、書い
て有ったので、一度は、気持ちが、切れた相手の言葉で、
自殺するものか?と、疑問でした。
彼も自殺願望を持つ相手が、彼女では、交際していても、
精神的にきつかったでしょう。
他に好きな相手が出来るのは、無理も無い事だと、思い
ます。
ただ、命まで奪う事は無かったな。と、言う思いが残り
ますね。
。
↧
とっても古い記事ですが。「なんで早く飛び降りないの?」そして元交際相手は自殺…
↧