http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131014/trl13101407000003-n1.htm
【法廷から】
「先輩の言うことは絶対」…
六本木クラブ金属バット襲撃事件、背景にゆがんだ上下関係
2013.10.14 07:00 産経新聞
「先輩のもめている相手だと思い、やらなければなら
ないと思った」
「先輩の言うことは絶対」。
東京・六本木のクラブで昨年、飲食店経営の藤本亮介
さん=当時(31)=を金属バットなどで殴り死亡させ
たとして、傷害致死罪などに問われた栗原克一(27)
と岡崎修一(28)両被告の公判。
暴走族「関東連合」OBからの命令一つで、残虐な
暴力に走った「普通の若者たち」のゆがんだ上下関係
が明らかにされた。
■大音量の店内に響く異様な音 「ガン」「ゴン」
起訴状によると、
栗原被告らは共謀し、昨年9月2日午前3時40分
ごろ、六本木のクラブ「フラワー」(閉店)に侵入。
藤本さんを関東連合と対立する人物と間違え、頭や
顔を金属バットなどで殴り、死亡させたとしている。
関東連合と他グループの対立に絡み、「人違い」で
発生したこの事件で、傷害致死罪で起訴された被告の
審理が行われるのは初めてだ。
だが、法廷に現れたのは、関東連合のメンバーでは
ないという2人。
ネクタイを締めてスーツを着用し、髪形も整えた
短髪で出廷した。
通勤電車にいても違和感のない姿からは、
“アウトロー”の雰囲気は感じさせない。
2人とも「間違いありません」と起訴内容を認めた
。
一方で、検察側の冒頭陳述などから浮かび上がった
のは、2人の法廷での様子からは想像もつかないよう
な凄惨(せいさん)な犯行状況だ。
ビル2階のクラブに押し入った9人のうち、栗原、
岡崎両被告ら6人が金属バットや金属製の懐中電灯、
割れたビール瓶などの凶器を持ち、無抵抗の藤本さん
を次々と殴りつけたという。
藤本さんが座っていたソファ周辺のおしぼりやビニ
ール傘などに血が飛び散り、天井にまで血痕のよう
なものが付着していた。
駆けつけた救急隊が、階段1階の踊り場であおむけ
に倒れている藤本さんを見付けて病院に運んだが、
藤本さんは午前5時ごろに死亡。
顔面や頭蓋(ずがい)骨損傷による失血死だった。
検察側は、藤本さんと同席していた他の客らの目撃
証言も読み上げた。
「男たちは被害者を棒のようなもので殴った。何度も
振り下ろしていた。被害者は身動き一つしなかった」
「野球の右バッターのように、長い棒のようなものを
ほぼ水平に振り抜いた。『ガン』『ゴン』というよう
な重くて低い音が聞こえた」
「被害者はソファにもたれかかり、ぐったりしていた
。血だらけで顔や頭の形がゆがんでいた」-。
大音量で音楽が鳴り響き、客でごった返す店内で
金属バットを振るったとされるのは、この公判の
両被告。
2人がどのように事件に関わっていったのかが、
公判を通じて次第に明らかになっていった。
■「地元の先輩」の指示で襲撃現場へ
栗原、岡崎両被告は東京都杉並区で育った幼なじ
みで、同じ小学校のサッカー部に所属。
事件の直前も同じ草野球チームに参加し、フット
サルなども楽しむ仲だったという。
被告人質問で2人は、関東連合のメンバーでない
ことに加えて、ほかの暴走族に所属したことも
「ありません」と否定した。
栗原被告は関東連合OBの百井(ももい)茂被告
(31)=傷害致死罪などで起訴=を
「地元の先輩で20歳ごろに知り合った」
と説明、事件に関わった背景については
「地元のメンバーということで、その延長線上で…」
と話した。
公判では、百井被告の証人尋問も行われた。
検察側から六本木の事件に関わった関東連合の元
メンバーを問われ、百井被告が名前を挙げたのは、
海外で逃亡を続けている元リーダーの見立(みたて)
真一容疑者(34)=国際手配=や、石元太一被告
(31)=傷害致死罪などで起訴=ら自身を含む
5人。
栗原、岡崎両被告については
「食事に行ったりする後輩」と表現した。
地元の先輩と後輩。ただそれだけの関係でありな
がら、なぜ自分と直接関係のない、先輩のもめ事の
相手を躊躇(ちゅうちょ)せずに襲ったのか。
弁護側の被告人質問が行われた。
弁護人
「今回の事件に関わった人との関係は」
岡崎被告
「小学校の幼なじみと、幼なじみを通じて知り合っ
た先輩と後輩です」
弁護人
「先輩とはどのような上下関係なんですか」
岡崎被告
「先輩のことは絶対です。少年時代に杉並の先輩に
暴走族に誘われ、断ったら“ヤキ”を入れられて歯
が折れたこともありました」
成人してからも先輩から度々暴力を受けることが
あったとも明かし、栗原被告も同じように“絶対”
の上下関係の中にあったことをうかがわせた。
弁護人
「先輩ともめている相手のことは知っていましたか」
栗原被告
「それは、知らなかったです」
弁護人
「なぜ、その相手の所に行くことになったんですか」
栗原被告
「普段から先輩の教えを断りづらかった…」
弁護人
「関係ない相手だけど、先輩の指示だから行かざる
を得なかった?」
栗原被告「はい」
■背後から「行けよ」 バット振り下ろす
犯行に至るまでも、強固な上下関係に支配されて
いた状況が浮かび上がった。
栗原、岡崎両被告は、犯行前日の夜、地元の暴走
族OBの誕生日会に百井被告らと参加。
2次会になり、日付が変わった9月2日午前2時
ごろ、2人は百井被告に呼ばれ、フラワーが入る
ビルに向かうよう指示を受けたという。
「車内にあったバットを持っていった。指示があっ
たので、それに従った」(栗原被告)
「『もめている相手が店にいるから、連れ出す』と、
百井君に言われた。(ジャージーと覆面を着用する
ように言われ)何のためなのか疑問に思ったが、
先輩に聞けなかった」(岡崎被告)
暴力が自らに向けられることにおびえ、考える
ことなく指示に従ってしまう関係でありながら、
先輩を「さん」ではなく「百井君」と君づけで呼ぶ
アンバランスさ。
その理由はよくわからないが、表面上、親しみを
感じさせるようにしているのだろうか。
店内に集団で押し入った後、栗原、岡崎両被告は
百井被告らが藤本さんを殴ったのを目撃し、直後に
背後から「行けよ」「行け行け」と声が聞こえた
ため、バットを振り下ろしたという。
栗原被告は
「先輩のもめ事の相手に間違いないと思い、一緒に
加担しなければならないと思った」
と、暴行に加わった際の心情を述べた。
百井被告は公判中、栗原、岡崎両被告を
「仲の良い後輩」
「親しい関係」などと表現した。
しかし、栗原被告は先輩をかばうような公判中の
発言を指摘され、
「正直、仕返しが怖いというのはあります」と吐露。
岡崎被告も百井被告について「怖いと思っていた」
と述べ、社会復帰後どうするかを問われて
「怖いから…。怖いですけれど、(付き合いに)誘
われたら断るしかありません」と話した。
一方で、仕事を紹介されたり、食事に連れて行っ
てもらうなど、恩義を感じさせるアメとムチの部分
もあり、それが関係を断ち切るのを困難にしていた
ようだ。
百井被告も証人尋問で、自身の先輩にあたる人物
の人間関係や、事件当日の行動について何度か問わ
れると「言いたくありません」と返答したり、言葉
に詰まる場面が目立った。
11日の公判で、検察側は栗原、岡崎両被告に
懲役15年を求刑。
「あいまいで不自然な供述を続け、反省が不十分」
などと指摘した。
恐怖に支配された冷たい上下関係。人間的な感情
を失い暴力マシンと化した集団が、全く無関係の
人物をめった打ちにした。
集団のルールだけに従い、人の道に外れた凶悪な
犯行をためらわずに行う恐ろしさと、全く理不尽に
命を奪われた被害者の無念さが、一層強く胸に迫る。
判決は17日に言い渡される。
すでに傷害致死で、懲役13年を言い渡された2人
です。
全員が、関東連合のメンバーだと、思ってましたが、
違う人間も居たんですね。
所属もしてない暴走族の連中の言葉に従って、人生
を棒に振るとは、今となれば、後悔してる事でしょ
う。
13年は、長いですね。
もっとも、地裁判決ですから、当然、控訴する事で
しょう。
高裁では、どんな判断が、出るのか?彼らも気が気
じゃないでしょう。
【法廷から】
「先輩の言うことは絶対」…
六本木クラブ金属バット襲撃事件、背景にゆがんだ上下関係
2013.10.14 07:00 産経新聞
「先輩のもめている相手だと思い、やらなければなら
ないと思った」
「先輩の言うことは絶対」。
東京・六本木のクラブで昨年、飲食店経営の藤本亮介
さん=当時(31)=を金属バットなどで殴り死亡させ
たとして、傷害致死罪などに問われた栗原克一(27)
と岡崎修一(28)両被告の公判。
暴走族「関東連合」OBからの命令一つで、残虐な
暴力に走った「普通の若者たち」のゆがんだ上下関係
が明らかにされた。
■大音量の店内に響く異様な音 「ガン」「ゴン」
起訴状によると、
栗原被告らは共謀し、昨年9月2日午前3時40分
ごろ、六本木のクラブ「フラワー」(閉店)に侵入。
藤本さんを関東連合と対立する人物と間違え、頭や
顔を金属バットなどで殴り、死亡させたとしている。
関東連合と他グループの対立に絡み、「人違い」で
発生したこの事件で、傷害致死罪で起訴された被告の
審理が行われるのは初めてだ。
だが、法廷に現れたのは、関東連合のメンバーでは
ないという2人。
ネクタイを締めてスーツを着用し、髪形も整えた
短髪で出廷した。
通勤電車にいても違和感のない姿からは、
“アウトロー”の雰囲気は感じさせない。
2人とも「間違いありません」と起訴内容を認めた
。
一方で、検察側の冒頭陳述などから浮かび上がった
のは、2人の法廷での様子からは想像もつかないよう
な凄惨(せいさん)な犯行状況だ。
ビル2階のクラブに押し入った9人のうち、栗原、
岡崎両被告ら6人が金属バットや金属製の懐中電灯、
割れたビール瓶などの凶器を持ち、無抵抗の藤本さん
を次々と殴りつけたという。
藤本さんが座っていたソファ周辺のおしぼりやビニ
ール傘などに血が飛び散り、天井にまで血痕のよう
なものが付着していた。
駆けつけた救急隊が、階段1階の踊り場であおむけ
に倒れている藤本さんを見付けて病院に運んだが、
藤本さんは午前5時ごろに死亡。
顔面や頭蓋(ずがい)骨損傷による失血死だった。
検察側は、藤本さんと同席していた他の客らの目撃
証言も読み上げた。
「男たちは被害者を棒のようなもので殴った。何度も
振り下ろしていた。被害者は身動き一つしなかった」
「野球の右バッターのように、長い棒のようなものを
ほぼ水平に振り抜いた。『ガン』『ゴン』というよう
な重くて低い音が聞こえた」
「被害者はソファにもたれかかり、ぐったりしていた
。血だらけで顔や頭の形がゆがんでいた」-。
大音量で音楽が鳴り響き、客でごった返す店内で
金属バットを振るったとされるのは、この公判の
両被告。
2人がどのように事件に関わっていったのかが、
公判を通じて次第に明らかになっていった。
■「地元の先輩」の指示で襲撃現場へ
栗原、岡崎両被告は東京都杉並区で育った幼なじ
みで、同じ小学校のサッカー部に所属。
事件の直前も同じ草野球チームに参加し、フット
サルなども楽しむ仲だったという。
被告人質問で2人は、関東連合のメンバーでない
ことに加えて、ほかの暴走族に所属したことも
「ありません」と否定した。
栗原被告は関東連合OBの百井(ももい)茂被告
(31)=傷害致死罪などで起訴=を
「地元の先輩で20歳ごろに知り合った」
と説明、事件に関わった背景については
「地元のメンバーということで、その延長線上で…」
と話した。
公判では、百井被告の証人尋問も行われた。
検察側から六本木の事件に関わった関東連合の元
メンバーを問われ、百井被告が名前を挙げたのは、
海外で逃亡を続けている元リーダーの見立(みたて)
真一容疑者(34)=国際手配=や、石元太一被告
(31)=傷害致死罪などで起訴=ら自身を含む
5人。
栗原、岡崎両被告については
「食事に行ったりする後輩」と表現した。
地元の先輩と後輩。ただそれだけの関係でありな
がら、なぜ自分と直接関係のない、先輩のもめ事の
相手を躊躇(ちゅうちょ)せずに襲ったのか。
弁護側の被告人質問が行われた。
弁護人
「今回の事件に関わった人との関係は」
岡崎被告
「小学校の幼なじみと、幼なじみを通じて知り合っ
た先輩と後輩です」
弁護人
「先輩とはどのような上下関係なんですか」
岡崎被告
「先輩のことは絶対です。少年時代に杉並の先輩に
暴走族に誘われ、断ったら“ヤキ”を入れられて歯
が折れたこともありました」
成人してからも先輩から度々暴力を受けることが
あったとも明かし、栗原被告も同じように“絶対”
の上下関係の中にあったことをうかがわせた。
弁護人
「先輩ともめている相手のことは知っていましたか」
栗原被告
「それは、知らなかったです」
弁護人
「なぜ、その相手の所に行くことになったんですか」
栗原被告
「普段から先輩の教えを断りづらかった…」
弁護人
「関係ない相手だけど、先輩の指示だから行かざる
を得なかった?」
栗原被告「はい」
■背後から「行けよ」 バット振り下ろす
犯行に至るまでも、強固な上下関係に支配されて
いた状況が浮かび上がった。
栗原、岡崎両被告は、犯行前日の夜、地元の暴走
族OBの誕生日会に百井被告らと参加。
2次会になり、日付が変わった9月2日午前2時
ごろ、2人は百井被告に呼ばれ、フラワーが入る
ビルに向かうよう指示を受けたという。
「車内にあったバットを持っていった。指示があっ
たので、それに従った」(栗原被告)
「『もめている相手が店にいるから、連れ出す』と、
百井君に言われた。(ジャージーと覆面を着用する
ように言われ)何のためなのか疑問に思ったが、
先輩に聞けなかった」(岡崎被告)
暴力が自らに向けられることにおびえ、考える
ことなく指示に従ってしまう関係でありながら、
先輩を「さん」ではなく「百井君」と君づけで呼ぶ
アンバランスさ。
その理由はよくわからないが、表面上、親しみを
感じさせるようにしているのだろうか。
店内に集団で押し入った後、栗原、岡崎両被告は
百井被告らが藤本さんを殴ったのを目撃し、直後に
背後から「行けよ」「行け行け」と声が聞こえた
ため、バットを振り下ろしたという。
栗原被告は
「先輩のもめ事の相手に間違いないと思い、一緒に
加担しなければならないと思った」
と、暴行に加わった際の心情を述べた。
百井被告は公判中、栗原、岡崎両被告を
「仲の良い後輩」
「親しい関係」などと表現した。
しかし、栗原被告は先輩をかばうような公判中の
発言を指摘され、
「正直、仕返しが怖いというのはあります」と吐露。
岡崎被告も百井被告について「怖いと思っていた」
と述べ、社会復帰後どうするかを問われて
「怖いから…。怖いですけれど、(付き合いに)誘
われたら断るしかありません」と話した。
一方で、仕事を紹介されたり、食事に連れて行っ
てもらうなど、恩義を感じさせるアメとムチの部分
もあり、それが関係を断ち切るのを困難にしていた
ようだ。
百井被告も証人尋問で、自身の先輩にあたる人物
の人間関係や、事件当日の行動について何度か問わ
れると「言いたくありません」と返答したり、言葉
に詰まる場面が目立った。
11日の公判で、検察側は栗原、岡崎両被告に
懲役15年を求刑。
「あいまいで不自然な供述を続け、反省が不十分」
などと指摘した。
恐怖に支配された冷たい上下関係。人間的な感情
を失い暴力マシンと化した集団が、全く無関係の
人物をめった打ちにした。
集団のルールだけに従い、人の道に外れた凶悪な
犯行をためらわずに行う恐ろしさと、全く理不尽に
命を奪われた被害者の無念さが、一層強く胸に迫る。
判決は17日に言い渡される。
すでに傷害致死で、懲役13年を言い渡された2人
です。
全員が、関東連合のメンバーだと、思ってましたが、
違う人間も居たんですね。
所属もしてない暴走族の連中の言葉に従って、人生
を棒に振るとは、今となれば、後悔してる事でしょ
う。
13年は、長いですね。
もっとも、地裁判決ですから、当然、控訴する事で
しょう。
高裁では、どんな判断が、出るのか?彼らも気が気
じゃないでしょう。