http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130714/lcl13071407000000-n1.htm
【福田徳行のみちのく見聞録】
議員報酬削減反対で見えた“品格”
2013.7.14 07:00 産経新聞
議員報酬削減をめぐって市長と対立を続けて
いる青森市議会
これが市民を代表する議員かと思うと、
開いた口がふさがらない。
青森市議会(定数41)が6月定例議会
で青森市の鹿内博市長が提案した議員報酬
15%削減案を否決した。
だが、否決理由は明確に示されず、昨年
12月に続く2度目の否決となった。
「議会のことは議員が決める」
という理屈だというが…。
議員報酬の削減をめぐっては、市が有識
者で組織する特別職報酬等審議会で示され
た15%削減を提案。
しかし、市議会は独自に今年3月、市議
有志で作る検討会で改選期
(来年11月25日)までの期限付きで
減額率を一律10%とすることを決めた。
これに対し、鹿内市長は
「市議が審議会を経ずに報酬額を決める
ことはあり得ない」と批判。
4月の市長選でも15%削減案をマニフ
ェストに掲げ、再選を果たした。
市議会の動きは市民感覚と極めてかけ離
れたものだ。
サラリーマンが給料を自分たちで決める
ことは通常あり得ない。
議員は市民によって選ばれたという自覚
はあるのだろうか?
仮に市の提案を否決を是としても、きちん
と説明がつく理由が示されれば議論の余地は
まだある。
しかし、反対理由を示さず、
「議会のことは議会が決める」
というだけでは愚行といえる。
この事態には“伏線”があると勘繰りたく
なるのが4年前の市長選だ。
政党と一線を画し「市民派無所属」を標榜
(ひょうぼう)する鹿内市長が現職を破って
初当選したが、その後、鹿内市長と市議会
最大会派である自民党系会派が度々対立。
関係はぎくしゃくした。
同党は“ねじれ解消”を旗印に、4月の
市長選で元副知事を推薦候補として擁立した
が、鹿内市長に大差で敗れた。
こうした“遺恨”が、対決という形でむき
出したという見方が強い。
市議会が決めた削減率10%の場合、現行
(月額63万3千円)から同57万円だが、
削減率15%で同53万8千円となる。
“貧乏県”ともいえる青森では実にうらや
むような給与額だ。
「議員活動、選挙には金がかかる」
と公言する議員もいる。
57万円なら議員活動が可能で、53万円
になると不可能ということなのだろうか。
「報酬を削減したくない」という単純な理屈
がどうしても透けて見える。
そこに、議員としての「品格」はうかがえ
ない。
報酬には関係なく、市政の発展、市民生活
の向上を願って議員を目指す篤志家はいる。
そういう人が集まって「議会の品位」を保
たれると願いたいが、地方に限らず、
「センセイ」と呼ばれる議員にこうした気概
を持った人がどれだけいるだろうか。
私利私欲に走った末に議員が辞職に追い込
まれたケースは今も昔も変わらない。
議員は公僕ということを改めて意識する
必要があるだろう。
議会の対応について、
鹿内市長は「理解できない」と言い、一方の
反対派は「市長の説明不足」と互いの主張は
平行線のまま。
鹿内市長はあくまで15%削減案にこだわ
る姿勢を示すが、先行きは不透明だ。
不毛な論争が続けば、そのまま市政の停滞
につながる。
議会が10%削減に固執するのであれば、
市民への説明が先決で、最終的には民意を問
う形を取るべきだろう。
市議会が市民の代表として、どれだけ自ら
身を削る覚悟を示せるかどうかが問われて
いる。
有権者も本当に市政、生活を託せる候補者
を見極める目を持つことが重要だということ
は言うまでもない。
議員報酬と言うのも、利権の一つと言えるの
かも知れません。
当選するまでは、頭も下げますが、当選した
ら、市民の事は、知らぬ顔になるのが、議員
と言う人種の様です。
市の予算が、厳しいのであれば、まず、率先
して、議員報酬をカットすべきなのにね。
一般企業なら、会社が、赤字であれば、役員
報酬や管理職の給与を真っ先にカットするも
のなんですがね。
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議員報酬削減反対で見えた“品格”。
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