http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120922/biz12092222190007-n1.htm
技術流出に強い危機感、ルネサス官民買収
家電教訓、悪循環に歯止め
2012.9.22 22:18 産経新聞
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官民ファンドの産業革新機構
と日本の大手メーカーが共同で、
半導体大手ルネサスエレクトロ
ニクスを買収する案が浮上した
背景には、日本の製造業全体の
競争力低下への危機感がある。
家電業界は売り上げ規模で
韓国勢に抜かれ、自動車も激
しく追い上げられる。
ルネサスが米投資ファンドに
買収されれば、自動車や家電の
基幹部品となる半導体の技術
流出や調達不安につながり、
危機はさらに深刻化することが
予想される。
官民を挙げた異例の支援で
日本の製造業を死守する覚悟を
示した格好だ。
ルネサスは自動車や家電の
制御に使われる半導体
「マイコン」で世界首位。
顧客である自動車メーカー
などの「特注」のため代替えが
難しく、東日本大震災でルネサ
スの工場が被災した際には、
多くの自動車工場がストップ
した。
日本の自動車メーカーが技術
的に先行するハイブリッド車
(HV)や電気自動車(EV)
は、ガソリン車に比べ
「使われる半導体の数は格段に
多い」(大手電機幹部)という。
半導体の技術が日本のHVや
EVの競争力を下支えしている。
また、世界的に普及が加速
するスマートフォン
(高機能携帯電話)にも、日本
メーカーの半導体が多く搭載
される。
国内から半導体メーカーが消
え去れば、こうした経済成長の
源泉となる最先端機器を生み出
す日本の産業力が衰退しかね
ない。
ルネサスの買収に向け交渉中
の米投資ファンドのコールバー
グ・クラビス・ロバーツ
(KKR)は、事業選別などを
進めて収益性を高めたうえで、
ルネサス株を転売するのが目的
だ。
関係者らによると
「買収する体力のある国内企業
は見当たらない」
ため、ルネサスが自動車メーカ
ーなどと二人三脚で培ってきた
中核技術が、外資に流れる恐れ
がある。
とくに電機業界は、業績不振
に伴うリストラで退職した社員
が、韓国や中国など外資メーカ
ーに転職して技術が流出。
技術流出で競争力が低下した
結果、
「さらなるリストラを迫られる
ジレンマ」(大手電機幹部)に
陥った経験がある。
ただ、ルネサスは大口取引先
の要求に応え生産品目を増や
したため、高コスト体質になっ
ていた。
米投資ファンドからの支援を
嫌い取引先を含む官民による
買収を選んだ結果、こうした
課題にメスを入れられないので
あれば本末転倒だ。
第一生命経済研究所の嶌峰
義清首席エコノミストは
「自動車や家電にとって半導体
は“資源”みたいなもの。日本
経済にとって国産を残すことは
重要だ」と指摘する。
官民の支援でいかに経営体質
を強化できるのか。
日本の半導体産業で“最後の
砦”となったルネサスの経営
再建は、日本の製造業の将来を
も占う。
(大柳聡庸)
面白いですねー。
昔、半導体と言えば、日本の
得意分野でした。
世界でも圧倒的に日本製は、
強かったのですが、人件費の
高騰と共に、高コスト体質を
改善出来ず、安い外国製品に
押される様に、相次いで、
半導体製造から、各電機メー
カーが、撤退して行ったのは、
記憶に新しいです。
その半導体技術に再び光が、
当たるとは・・・・。
オールジャパンで、技術を
守るのは良い事です。
高コスト体質から、脱するに
は、仕様の統一が、必要で
しょう。
各自動車メーカーの技術者が
集まって、仕様を統一出来
れば、生産数も確保出来、
コスト、価格も抑えられます。
本当にあの地震災害の時は、
マイコンの調達が、課題と
なった様で、長い事ラインが
止まったのも記憶に新しいで
す。
中越大地震の時は、ピストン
リングの調達課題になりまし
たね。
1社供給は、危険なんですが、
同等、または、そこを超える
技術を持った企業が無いと、
言うのは困った問題ですね。
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技術流出に強い危機感、ルネサス官民買収。家電教訓、悪循環に歯止め。
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